大きく変わったフロントグリルで印象が一変
「ずいぶんと変わったな」というのが、実際に見た新しいボルボC30の第一印象だ。すでにさまざまな国際モーターショーで、その「顔」写真を見ているし、2009年のフランクフルト国際モーターショーで実物も確認したが、これまでは新しいC30だという実感があまり湧かなかったのも事実なのだ。それはまだ自分でハンドルを握っていなかったからなのだろう。しかし今回、その大きく変わったという印象が、やっと現実のものとなった。
C30の日本デビューは2007年のこと。ハッチバックとクーペをボルボ流にデザインした斬新なスタイルで登場した。当初、エンジンは直5の2.4Lと2.5Lターボが用意され、トランスミッションは5速ATのみを採用していたが、2009年2月の改良で2L直4エンジンと6速DCTの組み合わせも追加、300万円を切るという魅力的な価格設定もあり販売台数も徐々に増加、V50、V70に次ぐモデルに成長していった。
そのC30にビッグマイナーチェンジが施された。大きく変わったのは、6角形のフロントグリルとヘッドライトの形状だ。さらにボルボがDNAランプと呼ぶポジションライトも採用された。これらはXC60から採り入れられたボルボの新世代デザインアイコンであり、この流れはジュネーブでベールを脱ぐ新型S60にも採用される。ちなみにDNAライトは、XC60がセパレート型なのに対しC30はヘッドライトに組み込まれた一体型で、どちらもボンネットのVシェイプを強調し、顔ツキをシャープな表情にしている。
また、ボルボのアイデンティティとなるアイアンマークが付けられたC30のフロントグリルには、ハニカム構造の意匠が採用され、他モデルとの差別化も図られた。これによりスポーティな印象が強くなったが、それはボルボ初採用となったホワイトの17インチアルミホイールとの相乗効果もあるだろう。しかし、これは残念ながら標準装着ではなくオプションだ。