内外装に専用アイテムを装着した1000台の限定車
今回は、6速MTモデルに試乗した。ハードなスポーツ走行にも対応したスピリットR専用のレカロ製バケットシートに、ビルシュタイン製ダンパー、専用ブロンズ色に塗られた19インチホイールを組み合わせる。
エクステリアでは、ヘッドランプとリアコンビランプをブラックベゼルにして、精悍さをアップ。CピラーにあるスピリットR専用オーナメントは、あえてRX-7 スピリットRと同じデザインとしている。これはロータリーマニアにはたまらないポイントだ。
インテリアでは、専用の赤ステッチが適度に目立つ。特にスピリットR専用のレカロ製シートはスポーツカーとして十分な硬さとホールド性を持ち、さらに質感も高い。
エンジンそのものは、ベース車のタイプRSと同じで、スペック上はマイチェン前に比べ15ps低い235psとなっているが、マイチェン前のものとエンジンフィーリングを比べると、確実に低中速トルクが太く瞬発力があり、さらに高回転までとてもスムーズな印象を受けた。また、ロータリーエンジンのネガティブファクターとしてあげられる2000rpm以下の極低速回転域のトルクも十分あり、街中をハイギアで走ることも容易だ。
リアル ロータリースポーツは、やっぱり楽しい!
RX-8は後期型になってさらにファインチューニングされ、できるだけ段付き感を抑えてパワーロスのないようにセッティングしている。ロータリーエンジンを作り続けてきたマツダが表現したいロータリーフィーリングは、やはりこの段付きのないフラットなパワーカーブなのであろう。このロータリーにしか表現できないレブリミットまでストレスなくスムーズに加速していく感じは、アクセルを踏みこんでいて実に気持ちがいい。
さらにマツダ内製である6速MTは、少ないストロークで小気味よくコクコクと入り、スポーツカーらしいフィーリングを感じさせてくれる。
サスペンションは、発泡ウレタンが充填されたフロントサスペンションメンバーに減衰力のしっかりと出たビルシュタイン製ダンパーとの組み合わせだ。路面のアンジュレーションに追従し、ダイレクト感が非常に高く、ステアリングを切ると同時にスパッとノーズが入り、トラクションの掛かりも良い。リニアなハンドリングを作りだし、乗る者を楽しくさせるハンドリングをうまく表現している。荒れた路面ではシートから若干のゴツゴツ感が伝わってくるが、それも気になるレベルではない。
マツダは今後もロータリーエンジンの開発を継続していくと発表した。スピリットRの「R」には、ロータリーに対する想いだけでなく、また必ず舞い戻ってくるという「Return(リターン)」の想いも込められているという。次期ロータリースポーツの登場を期待しつつ、現在のロータリーエンジンの完成形を搭載するこのRX-8 スピリットRで、リアル ロータリースポーツの走りを楽しんで欲しい。
マツダ RX-8 スピリットR 主要諸元
●全長×全幅×全高:4470×1770×1340mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1350kg
●エンジン:直2ローター
●総排気量:654cc×2
●最高出力:173kW(235ps)/8200rpm<158(215)/7450>
●最大トルク:216Nm(22.0kgm)/5500rpm
●トランスミッション:6速MT<6速AT>
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・65L
●10・15モード燃費:9.4km/L<9.0>
●タイヤサイズ:225/40R19<225/45R18>
●当時の車両価格(税込):325万円<312万円>