1960年代末から日本でもスーパーカーが計画され、あるものは試作段階で消え、あるものは実際に販売までこぎつけた。2023年 ゴールデンウイークの特別連載企画として、そんな時代の最先端を目指した日本の志高いスーパーカーを紹介しよう。第4回は、日産 MID4 IIだ。

日産 MID4 II(NISSAN MID4 II:1987)

1985年に登場した日産のMID4は、日本の自動車市場に大きなインパクトを与えた。そして2年後、1987年の東京モーターショーでは進化版のMID4 Ⅱとして再登場した。

画像: すぐに市販されてもおかしくないほど洗練されたスタイル。サイドラジエターを採用したのは効率よりも重量配分のためか。

すぐに市販されてもおかしくないほど洗練されたスタイル。サイドラジエターを採用したのは効率よりも重量配分のためか。

横置きミッドシップ搭載だったVG30DE型ユニットは縦置きとなり、しかもツインターボ化された。吸気効率アップのためにインタークーラーも備えられた。ラジエターの位置も先代はフロントだったが、IIではサイドに変更された。

4輪駆動システムは、当時のブルーバードSSS ATTESAに採用されたフルタイム4WDと同様のもの。サスペンションは、大幅なパワーアップに対応するために先代の4輪ストラットから、フロントがダブルウイッシュボーン、リアがマルチリンクに改められた。先代から引き続き4輪操舵機構のHICASも装備されている。タイヤは前後異サイズ(前235/55ZR16、後255/55ZR16)となる。

そして印象的だったのは、そのスタイリングだ。初代よりも洗練され、空力的な美しさと、スーパーカー的な力強さが調和したフォルムとなっている。サイズ的にも、ひとまわりほど大きくなった。ボディにはアルミを多用した結果、スチールボディに比べて25%も軽量となっている。

いつ市販されてもおかしくない完成度で、今度こそ!と期待されたMID4 IIだったが、北米での販売が見込めないという日産上層部の判断から、またしても日の目を見ることがなかった。これは日本の自動車産業にとっても、じつに残念なことだったといえるだろう。

画像: 縦置きされたVG30DETTユニット。インタークーラーの装着により、330ps/39.0kgmまでパワーアップされていた。

縦置きされたVG30DETTユニット。インタークーラーの装着により、330ps/39.0kgmまでパワーアップされていた。

日産 MID4 II 主要諸元

●全長×全幅×全高:4300×1860×1200mm
●ホイールベース:2540mm
●車両重量:1400kg
●エンジン型式:VG30DETT型
●種類:V6 DOHCツインターボ
●総排気量:2960cc
●最高出力:330ps/6800rpm
●最大トルク:39.0kgm/3200rpm
●トランスミッション:5速

画像: amzn.to
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