日産 MID4 II(NISSAN MID4 II:1987)
1985年に登場した日産のMID4は、日本の自動車市場に大きなインパクトを与えた。そして2年後、1987年の東京モーターショーでは進化版のMID4 Ⅱとして再登場した。
![画像: すぐに市販されてもおかしくないほど洗練されたスタイル。サイドラジエターを採用したのは効率よりも重量配分のためか。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2023/04/25/854f99b3d7123d96deab776849c0f569024cf2d1_xlarge.jpg)
すぐに市販されてもおかしくないほど洗練されたスタイル。サイドラジエターを採用したのは効率よりも重量配分のためか。
横置きミッドシップ搭載だったVG30DE型ユニットは縦置きとなり、しかもツインターボ化された。吸気効率アップのためにインタークーラーも備えられた。ラジエターの位置も先代はフロントだったが、IIではサイドに変更された。
4輪駆動システムは、当時のブルーバードSSS ATTESAに採用されたフルタイム4WDと同様のもの。サスペンションは、大幅なパワーアップに対応するために先代の4輪ストラットから、フロントがダブルウイッシュボーン、リアがマルチリンクに改められた。先代から引き続き4輪操舵機構のHICASも装備されている。タイヤは前後異サイズ(前235/55ZR16、後255/55ZR16)となる。
そして印象的だったのは、そのスタイリングだ。初代よりも洗練され、空力的な美しさと、スーパーカー的な力強さが調和したフォルムとなっている。サイズ的にも、ひとまわりほど大きくなった。ボディにはアルミを多用した結果、スチールボディに比べて25%も軽量となっている。
いつ市販されてもおかしくない完成度で、今度こそ!と期待されたMID4 IIだったが、北米での販売が見込めないという日産上層部の判断から、またしても日の目を見ることがなかった。これは日本の自動車産業にとっても、じつに残念なことだったといえるだろう。
![画像: 縦置きされたVG30DETTユニット。インタークーラーの装着により、330ps/39.0kgmまでパワーアップされていた。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2023/04/25/b7badc3a183976318cfe2e751588206cf7e6d070_xlarge.jpg)
縦置きされたVG30DETTユニット。インタークーラーの装着により、330ps/39.0kgmまでパワーアップされていた。
日産 MID4 II 主要諸元
●全長×全幅×全高:4300×1860×1200mm
●ホイールベース:2540mm
●車両重量:1400kg
●エンジン型式:VG30DETT型
●種類:V6 DOHCツインターボ
●総排気量:2960cc
●最高出力:330ps/6800rpm
●最大トルク:39.0kgm/3200rpm
●トランスミッション:5速
![画像: amzn.to](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2023/04/25/4bcc71c3931a9533d930b8cf5a69b0c8e116317b_xlarge.jpg)