モーターはフロント2基、リア1基。トランスミッションは8速DCT
ひと目でランボルギーニとわかるデザインのそこかしこには、かつてない大胆で前衛的なディテールが盛り込まれている。アヴェンタドールの後継モデルとして発表された「レヴエルト」のスタイリングをひとことで評するなら、おそらくそうなるだろう。
なかでも最大の見どころが、同社の伝統的モチーフであるYシェイプをデイタイムランニングライト として浮かび上がらせたことと、キャビン後方のV12エンジンをカバーすることなくむき出しの状態で搭載した点。
カバーを設けなかった理由について、ランボルギーニのチーフテクニカルオフィサーのルーヴェン・モール氏は「空力的には不利かもしれませんが、V12エンジンの存在を最大限、表現したかったので、こうしました」と説明してくれた。
レヴエルトのメカニズムもまた、新機軸が目白押しだ。最大の注目ポイントは、同社初となるプラグインハイブリッドを採用した点。現在、ランボルギーニは2025年までに製品のCO2排出量を半減させる「ディレッツィオーネ・コル・タウリ」という名の電動化戦略を推進中だが、レヴエルトはその先陣を切ってプラグインハイブリッドシステムを搭載したのである。
その基本レイアウトはフロントに2基、リアに1基のモーターを搭載し、フロントの左右モーターを個別に制御してトルクベクタリングを実現するもの。フロントモーターの出力は、左右合計で300psにも達する。
一方のリアモーターは150psを生み出すが、興味深いのはその搭載位置。レヴエルトはセンタートンネル内にバッテリーを積むため、ギアボックスをエンジンの前方に積むランボルギーニ独自のレイアウトを採用できず、エンジン後方にギアボックスを搭載する。しかも、彼らはマスの集中化を目指してコンパクトな横置き式を新開発し、リアモーターもギアボックス上に横置きされることになったのだ。
なお、従来のランボルギーニのV12モデルは、前述のとおりセンタートンネル内にギアボックスを搭載してきた関係でDCTを採用できなかったが、レヴエルトでは初めてV12エンジンと8速DCTを組み合わせた点も注目される。
そしてリアモーターはエンジン始動、EV走行、エンジンのパワーアシスト、ブレーキ回生などに用いられる。