静粛性/空力性能を徹底的に追及
プレミアム性を重要視するコンパクトモデルだけに、静粛性にもこだわりをみせる。音や振動の発生源を抑制する源流対策を徹底、エンジンノイズや振動の低減が図られている。
エンジンマウントの最適配置による起動時のショックを低減をはじめ、エンジン本体へのバランスシャフトの採用による低回転時のフロア振動も抑制された。
また、ルーフパネルのマスチックシーラーの一部に高減衰タイプを採用することで、重量のある制振材を使用することなく効率的に振動を抑え、走行時や雨天時の車内静粛性を向上させる工夫も行われている。
空力性能へのこだわりも強い。先端を低く構えたフード形状とシームレスグリルにより、フロントまわりの風の流れの変動を抑制。サイドではドアパネルとベルトモールの段差を最小化することで、高い整流効果を目指し、リアまわりでは、ルーフからリアスポイラーの後端、門型スポイラーやリアコンビランプの形状工夫により車両後方への風の流れの最適化が図られている。
また、床下アンダーカバーにディンプル形状を設定。微小渦を発生させることで風の流れの変動を抑えられ、接地感の向上や高速域の走行安定性が高まるという。
視界、ペダル類、シート形状等を最適なものへと再検証
「ドライバーとクルマとの一体感」もLBXの大きな開発テーマだ。着座位置を下げることで、ドライバーを車両重心高に近づけ、クルマの動きとの一体感が演出されている。それに合わせ、手首や肘の角度、肩からの距離などを実機で何度も検証し自然に力の入れやすいハンドル位置と角度を探ったという。
着座位置に合わせ、ペダル類も従来のレクサスのものへの再検証が行われた。アクセルペダルは足首の動きと一体となるオルガンペダルを採用し高い操作性を確保したほか、ペダルの自然な踏み替え操作にこだわったブレーキペダルの踏面角とし、フットレストはペダル操作時に力が入れやすい角度とされたという。
ドライバーの視認性では、ボンネットフード上面を見えるようにすることで、自車位置把握のしやすさを重視。Aピラー形状やフードとのレイアウトにも徹底的にこだわることで前方下方視界を確保、走行ラインの把握しやすさを追求、車両との一体感とライントレース性の向上が図られた。
シートは、クルマとの対話のしやすさを目指し、シートクッションに深吊り構造を採用。横から荷重がかかった時のクッションの座圧変化を低減し、コーナリング中のドライバー姿勢の優れた安定性を確保するという。シートバックは、背筋が伸びるような形状とされ、腰の支持圧を上げて支えることで、頭部の揺れの軽減と視線の安定化が図られている。
先進の予防安全機能を有する「Lexus Safety System+」を装備
先進運転支援システム(ADAS)は「Lexus Safety System+」を装備。
「歩行者の横断」「飛び出してくるかもしれない」など、運転の状況に応じたリスクの先読みを行い、歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないようステアリング/ブレーキ操作をサポートなどを行う「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」や、ドライバーの脇見運転等をシステムが検知した場合、早いタイミングでドライバーへ警告し、衝突回避や被害軽減をサポートする「プリクラッシュセーフティ(PCS)」をはじめとする、多数の高度予防安全機能を享受することができる。
さらに、走行時にウォッシャー液による視界の阻害を低減させる、ウェットアームワイパーの採用も行われている。
他には、ドアのアンラッチ機構の電気制御「e-ラッチシステム」置き換えや、専用のスマートフォンアプリでのスマートフォンのデジタルキーとして使用できるなどの、先進電子技術の恩恵も豊富に用意されている。
レクサスLBX(プロトタイプ)主要諸元
●全長×全幅×全高:4190×1825×1560mm
●ホイールベース:2580mm
●タイヤサイズ:225/60R17 or 225/55R18