四隅に配された大径ホイールが類まれな「塊感」を印象付ける
ボルボのラインナップの中でもっとも小さなSUVとなるEX30がイタリアミラノで発表された。2030年の完全電動化に向けたボルボのBEV第4弾となる。
ボルボ カーズのCEOジム・ローワンはEX30について「ボルボ史上最小のSUVになりますが、お客様にとっても、私たちの会社にとっても大きな意味を持ちます」とコメント。さらに「お客様がボルボに求めるすべてを小さなパッケージで実現した小さいけれど最高のクルマです。他のボルボ車と同様に、このクルマも安全であり、お客様自身やそのニーズに合わせて設計された素晴らしいクルマなのです」と説明している。
その見た目は、ボルボのBEVの中でもっとも未来的。先にグローバルで発売されたEX90に近いフロントマスクはグリルレスにデジタル化されたトールハンマーヘッドライトを採用。ショートオーバーハングによって四隅に配置された大径ホイールが特徴的で、ボルボらしくクリーンでありながら、力強さも感じるデザインだ。
全長4233mm×全幅1837mm×全高1549mmというボディサイズは、現在発売されているボルボのラインナップの中で一番コンパクトなC40リチャージよりも207mm短く、48mm狭く、56mm低いディメンジョンで、さらにひとまわり小さなボディとなる。
ボルボ歴代モデル最速となるツインモーター仕様も用意する
パワートレーンは、後輪駆動のシングルモーターと四輪駆動のツインモーターが用意される。シングルモーター仕様はバッテリーのタイプを選ぶことができ、NMC(ニッケル、マンガン、コバルトが主成分)バッテリーを搭載した「シングルモーターエクステンデッドレンジ」では、約480km(欧州仕様車、WLTPモード)の航続距離を実現している。
一方「ツインモーターパフォーマンス」と呼ばれるツインモーター仕様は、最高出力428psを発生し、0→100km/h加速は3.6秒。これはボルボ史上最速モデルとなるが、シングルモーター仕様でも272ps/343Nmを発生しており、0→100km/h加速5.4秒と十分に高性能なので、こちらでも動力性能に不満を感じることはなさそうだ。
インテリアは、中央に大型のディスプレイが鎮座するのみで、EX90には用意されていたドライバーディスプレイは見当たらない。EX30ではすべての機能がセンターディスプレイに集約される。そこに搭載するGoogleインフォテインメントシステムは最新版となり、今までよりも直感的に使いやすくなっている。
また、マテリアルには、リサイクル素材や再生可能素材を使用し、ボルボの最新モデルらしくサステナビリティにも配慮される。北欧の自然をイメージしたというシート素材やデザイン、デコラティブパネルが異なる4種類の仕様が用意されているのも特徴だ。
さらにアンビエントライトやアンビエントサウンドにも5種類のテーマが用意されており、心身がリラックスできるスカンジナビアンな室内空間を実現している。