高い完成度のプロトタイプ。航続距離は600km以上
フェロー諸島に持ち込まれたアウディQ6 eトロンのプロトタイプは派手なカモフラージュを与えられているが、その下から覗く新しいデザインはこれまでのアウディらしさを継承した端正なもので、最新のアウディファミリーに共通なシルエットを持っている。
しかしフロントは上下に分割された細長いデイタイムランニングライトとヘッドライト、さらにリアには車幅一杯に伸びた先進的なOLEDテールランプを装備するなど新しい要素も採用されている。
一方、ドアハンドルは空気抵抗の少ないフラッシュ式ではなく、相変わらず従来型の引き出し式を使用している。また、プロトタイプはクラシックなリアビューミラーで、Q8 eトロンのようにオプションでも電子ミラーは装備されない。BEVにとっては空力特性が航続距離を延ばす重要な要素のひとつのはずだが、アウディはこれに代わる解決方法でも見つけたのだろうか。
試乗に供されたのはQ6 eトロンとSQ6 eトロンで、ともにほぼ垂直なテールゲートを持つSUVタイプだったが、将来的にはスポーツバックも登場予定だ。
ボディサイズは全長4766mm、全幅1936mm、全高1681mmでQ5よりひと回り大きくなっている。今回試乗したプロトタイプのインテリアは厳重に隠されていたが新しいステアリングホイールをはじめ、ドライブセレクターなどのデザインは一新されていた。
Q6 eトロンの詳細なスペックはまだ公表されていないが、5つのドライブモードを持った2基の電気モーターのシステム最高出力はQ6 eトロンは400ps/295kW、SQ6 eトロンでは517ps/380kWのピークパワーを発生するはずである。
SQ6 eトロンの予想されるダイナミック性能は0→100km/h加速が4.5秒、最高速度は210km/hと語られている。
また搭載されるバッテリーはおよそ100kWhのエネルギー容量を持ちQ6 eトロンでは600km以上の航続距離を約束する。そして800Vのアーキテクチャーによって充電能力は最大で270kWとされている。