マツダの名車とこれからも長く付き合っていくために
RX-7もFD3S型ですら1991年デビュー(FC型は1985年発売)。最終のスピリットRでも2002年8月に生産終了なので、初期型はNA型ロードスターとほぼ同年代。最終型でもすでに20年が経過している。そのため各部の経年劣化はもとより、個体によってはボディまでダメージが出ていることも。マツダはこれからもRX-7に長く乗り続けてもらうための環境づくりとしてサービスの拡大を始めた。
RX-7はグローバル市場でFC型が27万2000台、FD型が6万8000台販売されている。今でも日本国内ではFCが8000台、FDが1万6000台(2022年度)が乗り続けられているというから、この日を待ち望んでいた人も多いことだろう。
FC/FD型用の復刻パーツ自体は2020年にスタートしていて、すでに約90点のパーツが用意されているというが、絶版となっている部品は細かいパーツも入れればまだ300点近くもあるという。このRX-7のレストアでも1000点以上の部品を新品に交換しているというが、手に入らない部品もまだ多いようだ。こうした部品の生産、復刻は全国のRX-7オーナーやショップなどからも話を聞き、情報を仕入れて、必要なパーツを選んでいるという。
それでもいま困っているのは内装系のパーツ。大きなところでいえば、経年劣化でひび割れする可能性もあるダッシュボードは手に入らない部品だそう。もちろん再生産可能なサプライヤーはいるのだが、今のところ年に10個程度の需要と予想されているので、それではたとえ再生できても現実的な金額では販売できない。その場合の対応としては、交換ではなく、修復するという方法が考えられる。
マツダはこうした部品の補修なども含めて、ボディ、内装、外装、エンジンなど新車時の状態に戻せるように、RX-7のレストアサービスを2024年度中に開始できるように進めている。
PHEVとなって蘇った新生ロータリーエンジンとともに、ロードスター、RX-7といったマツダの名車をこれからも長く乗り続けられるよう、メーカーがこうした取り組みを続けてくれることは本当にありがたい話。ファンを大切にするこうした姿勢こそがさらに、多くのファンを呼んでいるに違いない。