新世代PHEVシステムを搭載総合出力の向上で加速も強力
パワートレーンはV6およびV8エンジンがそれぞれパワーアップされると同時に、2種類のPHEVも用意する。またPHEV用の新しいモーターはギアボックス内に完全に統合されており、オイル冷却も採用。出力は100kWから140kWへとパワーアップしている。
一方、バッテリー容量は17.9kWhから25.4kWhへと増加、航続距離は最大で100kmをマークするはずだ。また11kWのオンボードAC充電システムも用意され大幅に充電時間を短縮する。
試乗車には「Eパワー」、「ハイブリッド」、「スポーツ」、「スポーツプラス」の4つの運転モードがあり、それぞれが幅広い運転特性の選択肢を与えている。Eパワーモードでのパフォーマンスは、旧型のパナメーラ ターボS Eハイブリッドよりもかなり強力だ。
ポルシェは新しいPHEVシリーズに一層スポーティでパワフルなキャラクターを加えており、パナメーラ ターボ Eハイブリッドは、とくにその典型である。
ハイブリッドモードでは応答性と柔軟性を巧みに両立、電気モーターとガソリンエンジンを組み合わせることで、卓越した日常性とスポーティなパフォーマンスを引き出す。
またターボエンジンと組み合わせる新しい電気モーターはブースト圧が上昇する際のターボラグを見事に解消し、高速でアクセルペダルを踏み込むと、直線的で滑らかな加速を披露する。電子制御4WDシステムとトルクベクタリング特性により、どんな状況でも頼もしいトラクションを得ることが可能だ。
次期パナメーラには2種類のエアサスペンションが設定されているが、どちらも新しいツインステージダンパーで、2.3トンにおよぶ車両重量にもかかわらず快適と同時にスポーティでメリハリの利いた乗り心地を提供する。またステアリング特性はソフトウエアのアップグレードで非常に正確。後輪操舵の採用でさらに応答性と敏捷性が高まっていた。
3代目のパナメーラは4ドア911というコンセプト(束縛)から離れ、新世代のタイカンの方向へ舵を切ったが、これは正しい方向だと思う。いずれにせよICE搭載モデルとして選択肢が残ることは大歓迎だ。(文:木村好宏/写真:キムラ・オフィス)