「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、フォルクスワーゲン ザ・ビートルだ。
フォルクスワーゲン ザ・ビートル(2012年:フルモデルチェンジ)
以前にも新型ビートルのインプレッションはお伝えしたが、今回、日本仕様とほぼ同じ1.2 TSI搭載モデルの試乗会がポルトガルで行われた。ゴルフより大柄なボディに直噴ターボとはいえ、1.2Lで大丈夫なのだろうか・・・。
古くはドイツの国民的大衆車として親しまれ、1998年に現代版として生まれ変わったニュービートル。その愛すべき存在が、ついに2代目へと進化した。デザインやメカニズムはもちろん、名前も「ザ・ビートル」と新しくなっている。
日本では2011年の東京モーターショーでその姿が披露され、発売が待たれている状況だが、欧州ではすでに販売されており、既存の2.0Lモデルに続いて1.2Lと1.4Lモデルが追加デビュー。前述のように、日本には1.2Lが導入される予定だ。今回の試乗車は1.2LのTSIエンジンに6速MTの組み合わせで、17インチタイヤを履いた「デザイン」というグレードだ。他にベーシックな「ビートル」、18インチタイヤを履く「スポーツ」がある。
先代のニュービートルは、旧型と同様に前後フェンダーとドーム型のルーフという3つの半円で創られていたが、ザ・ビートルは低くシャープなルーフラインや、車幅が1808mmと広がった安定感、抑えられたサイドクラスターで、すっきり洗練された印象だ。