フォルクスワーゲン ザ・ビートル(2011年:フルモデルチェンジ)
フォルクスワーゲンの「ニュー ビートル」が、「ザ・ビートル」にモデルチェンジされた。先代は半円形を3つ組み合わせた姿が妙に可愛いかったが、3代目にあたる新型はLEDを配したヘッドライトをはじめ、前傾姿勢のルーフライン、大きく張りだした前後のフェンダーなど、かなり男性的なルックスになった。サイズは先代と比べて全長が152mm、全幅が84mm、全高が120mm大きくなった。
欧州仕様のグレードは、ノーマルが「ビートル」、中間の「デザイン」、最上級が「スポーツ」となる。いずれも先代よりも格上のクルマになった。今回試乗したのは、2.0TSI。200psを発生する2Lの直4ターボという、ラインナップ中もっとも強力なエンジンを搭載したモデルだ。6速MT、6速DSG(DCT)とも最高速度は225km/h、0→100km/h加速は7.5秒とアナウンスされている。十分にスポーツモデルとして通用する数値だ。燃費もDSG仕様の欧州複合モードで13.5km/Lを達成しているという。
じつはこのエンジン、ゴルフGTIのものと同じ。ただし、日本への導入は未定(編集部註:2013年から導入された)。日本ではまず1.2Lで105psのTSIエンジン+7速DSGから導入されるようだ。この仕様でも0→100km/h加速は10.9秒、燃費は16.9km/Lとなかなかのもの。
試乗した2.0TSIの2Lターボエンジンは2500rpmからのトルクの盛り上がりが力強く、スポーティに走る。4000rpmあたりから唸り音を発しはじめるものの、5000rpmをオーバーしても耳ざわりではなかった。6速DSGは60km/hで6速に入るものの、7速DSGほどにシフトプログラムはキメ細やかではなく、40km/h以下ではギアが高すぎ、室内にこもり音が発生していた。この点では、7速DSGの1.2L モデルのほうが良いかもしれない。
ハンドリングは試乗車が北米仕様ということで、足まわりが柔らか目の設定のため、コーナーでのロールはユラっと大きめだった。サスペンションは2.0TSIのみ、リアが4リンク式を採用している。タイヤも235/35R18という超偏平スポーツタイヤを装着していた。しかし、乗り心地はゴツゴツ感やザラつきもなく快適だった。走行中に気になったのは、風切り音が大きめだったことくらいだ。
ハンドルを握って感じたのは、先代同様に相変わらずフロントの車両感覚がつかみづらいこと。さらに今回、全幅が1.8mをオーバーしたので、狭い道では気を遣うだろう。