運転のしやすさもWR-Vの安心感につながっている
続いて向かったのは、テストコース内に作られた一般道路を模したコース。ここでは見切りの悪い交差点や緩やかな坂道、小刻みに続く右左折を試しました。
このコースを走って驚いたのは、WR-Vの視界の良さです。ホンダはフィットやN-BOXといった人気のコンパクトカーや軽カーから上級なシビックやZR-Vに至るまで、一貫して視界の良さにこだわるメーカーであることは言わずもがなですが、それはWR-Vでも同じでした。
ですが、今言ったモデルたちは運転席から見える柱、すなわちAピラーが細くすることで視界の良さを確保しています。しかし、WR-Vはそれらと比較するとAピラーはそこまで細くありません。ではなぜ、視界が良いと感じたのでしょうか。
理由は、ボンネットフードの盛り上がりです。運転席に座って前方を眺めた時にボンネットの両端が膨らんでいます。そのおかげでドライバーがボディの先端との距離感を掴みやすい、というわけです。
さらに、サイドミラーがAピラーの付け根の近くではなく、ドアパネルに直接取り付けられています。これにより、サイドウインドウの視界も良好なので見晴らしがとても良く感じられましたというわけです。これなら、狭い路地を通り抜けたりや駐車場の出し入れも安心できそうです。
落ち着いた頼もしいステアフィールが好印象
最後に向かったのはワインディング路を想定したコース。起伏の激しい道をWR-Vはどう駆け抜けるのでしょうか。まずは、くねくねとした道を登っていきます。
そこで感じたのは、どっしりとしたステアフィールがもたらす安心感です。ここに来るまでの間にも、少し重めで落ち着いた上質なステアフィールに惚れ惚れしていましたが、ワインディングロードに来るとその魅力がより現れます。
そして坂を下っていく時のブレーキタッチも安心感が高いもので、制動時に車体が前にツンのめるような感覚はありませんでした。また、ワインディング路のような加減速やハンドル操作の多い場面でも動きにギクシャク感はありません。
どこまでもスムーズな乗り味は、重めのステアフィールと相まって非常に上質なものです。また全高が1650mmあるクルマとは思えないほど、車体の動きに安定感がありました。
ちなみにWR-Vは全車FF(前輪駆動)です。タフさ際立つSUVデザインでありながら4WD仕様が選択できないのは積雪地域に住む方にとっては少し残念ですが、ハンドルに緩さがあまりないWR-Vのどっしりとした操作性は常に安心感があるので、滑りやすい路面でも不安を感じることは少なそうです。