クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。今回はMotor Magazine誌で掲載した長期レポート「ホンダZR-V」を紹介していこう。4モデルを1カ月ごとに1台ずつ試乗し、その乗り味や魅力を確認する連載企画の第4回は、Z 4WDだ。(Motor Magazine 2023年12月号より)

純ガソリンエンジン車らしいスポーティな走り

4台目ともなると、運転席からの景色も見慣れたもの。しかし今回のグレードZは内装色がブラックなので、前回乗っていたマルーン内装色とはインテリアの雰囲気が異なる。またハイデッキセンターコンソールには、セレクトレバー(e:HEVはスイッチ式)が生えているのも新鮮だ。

画像: スポーティなブラック内装のZ 4WDのインテリア。ターボエンジン車は全モデルシフトセレクターがレバー式。

スポーティなブラック内装のZ 4WDのインテリア。ターボエンジン車は全モデルシフトセレクターがレバー式。

さらに4WDのみの装備として、熱線入りフロントウインドウ、フロントドア撥水ガラス+親水/ヒーテッドドアミラー、リアシートヒーター(左右)までもが用意されている。

上級モデルとなるZの装備をあらためて確認すると、ホンダコネクトディスプレイ+ETC2.0、BOSEプレミアムサウンドシステム、電動調整式(前席)の本革シート、本革巻きハンドル、自動防眩ルームミラー、ステンレス製スポーツペダル、メタル製パドルシフト、パーセルカバー、マルチビューカメラなどといった装備が標準となる。

今回の試乗でもまず感じたは、4WDによる走りの安定感。しっかりとしたボディのZR-Vは常時全輪駆動によって直進安定性も上がり、それでいて高いシャシ性能によるコーナーでのライントレース性など、基本的にスポーティな性格はZR-Vに共通しているようだ。

またガソリンターボモデルでは駆動方式を問わず、Zグレードにのみパドルシフトが用意されている。そのため、ドライブモードをスポーツに変更すれば、マニュアルモード固定でパドル操作で好きなタイミングでシフトチェンジができるから、エンジン車らしいスポーツドライブが楽しめる。

荷室の使い勝手は良好で積載性も高い

今回は荷室の使い方についても紹介したい。ZR-Vのカタログを見ると、5名乗車時で9.5インチのゴルフバックが3個、スーツケース(250×450×670mmサイズ)が3個入ると記載されており、積載量は多そうだが、実際のところはどうなのだろうか。試してみた。

画像: 後席を倒せばフラットな荷室が広がり、たくさんの荷物を積むことができる。開口部の幅は約1400mmだった。

後席を倒せばフラットな荷室が広がり、たくさんの荷物を積むことができる。開口部の幅は約1400mmだった。

そこで実際にイベント出展の搬入時に稼働し、大量の荷物を積んでみた。その時の様子は上の写真を見てもらいたいのだが、一つは約1.9mの長尺な荷物があった。これはさすがに収まらないだろうと思ったのだが、助手席を前方に少しスライドさせたら難なく収まった。

ちなみに、斜めに積み込めば助手席をスライドしなくても積むことができる。開口時のフロア高は約700mmで荷物の積み下ろしも比較的楽に行えた。こうしたところからも、このクルマがキャンプや車中泊などアウトドアでもアクティブに使えるSUVとして、実用的なモデルであることがわかる。

そんな中で、唯一気にしていたのは燃費だった。ガソリンターボのモデルの中では4WDのため車両重量もあるので、カタログのWLTCモード燃費では13.9km/Lという数値。しかし今回のテスト期間中は長距離移動も多く、11.9km/Lと意外(!?)と健闘してくれた。シビックと違ってレギュラーガソリン仕様となっているのもガソリン高騰のいま、嬉しいポイントだ。

今回でこれまで続けてきたZR-Vの4カ月連続レポートも終了となる。次回はこれまでテストしてきた4モデルを総括したい。

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