ICEとBEVでは、まったく別のクルマになった
今回試乗したのは、まだ外観を偽装、インテリアも市販前のプロトタイプ用に作られたもの。つまり内外装ともに明らかに現行マカンとそれほど大きな相違点は見られない。明らかに違うのは、リアにエキゾーストパイプがないことぐらいである。それでもICEとBEVでは、まったく別のクルマになったと言えるだろう。
今回の取材でわかったのは、ボディサイズは現行マカンと大きく変わらないが、BEVになったことで車両重量は増えることになる。使われるプラットフォームは、アウディがQ6 eトロンでも採用するBEV専用のPPE(プレミアムプラットフォームエレクトリック)である。そう、BEVマカンとアウディQ6 eトロンは、アウディの強味とポルシェの強味を活かした開発体制がとられている。
搭載するバッテリーの総容量は100kWhで、15個の角形セルで構成されたモジュールを12個搭載している。つまりセル数は180個である。これがフロア下部分に敷き詰められ、800Vテクノロジーを採用し、充電は270kWまで対応し、約22分で10%→80%まで充電できる。
後輪操舵機能も採用され80km/hまでは後輪が前輪と逆方向に、駐車時などは前輪と同方向に最大5度操舵されるというものだ。これにより最小回転半径は約1m短縮される。80km/hを超える速度では前輪と同方向に操舵される。
エアサスペンションを備えたBEVマカンは、PASM(ポルシェアクティブサスペンションマネジメント)が採用される。またこれには2チャンバー、2バルブ技術を備えたショックアブソーバーも装備、これは新型カイエンにも採用されたもので、減衰力を伸び側、縮み側それぞれ個別にコントロールするこができるためサスペンションの反応を向上させ、コンフォートライドを実現する。