誰でも利用できる急速充電器を設置することがEV普及につながる
生産施設からリサイクル、サプライチェーンなどあらゆる方面でのカーボンニュートラル(正味ゼロ)を目指すアウディは、2026年以降に発売する新型車はすべてEV(内燃エンジンの製造は2033年に終了)にする電動化戦略「Vorsprung 2030」に則って進行している。
アウディにとって「電気自動車メーカーになるための移行期」である2024年は、すでに発表されたQ6 e-tronと、数カ月後にはA6 e-tronセダン&アバントの公開も控えており、大きな転換期になることは間違いないだろう。

2024年内の発表を予定されているアウディ A6 e-tronアバントのコンセプトモデル。
ラインナップのEV化は順調に進んでいるように見えるが、それでも実際にユーザーが使用していく中で重要になる急速充電施設の拡充は喫緊の課題としてある。
日本においてはフォルクスワーゲン・ポルシェと組んで「プレミアムチャージングアライアンス(PCA)」を展開して、3ブランドのオーナーであればいずれかの正規販売店や充電ステーションでCHAdeMO方式90〜150kWの急速充電を受けられるシステムを構築。すでに356拠点(2024年4月現在)で運用されている。
上述したとおり、これはあくまで特定ブランドユーザーに向けたサービス。一方で、EV普及に向けてドイツを中心にスイスやオーストリアで、だれでも急速充電器を利用できる施設「アウディチャージングハブ」を6拠点展開している。ドイツ・ニュルンベルクの施設には、アウディEVのリユースバッテリーによる蓄電機能と太陽光パネルを組み合わせ、最高出力320kWの充電ポートを6つ用意、2階にある200平方メートルの広いラウンジは仕事や休憩できるスペースとして用意されている。