穏やかだけれど芯の通ったドライブフィール
のんびりと流しているうちに、アベンジャーとの「距離感」はさらにぐんぐん縮まっていきました。フィーリングとしてはむやみにトルク感を主張する「ムキムキ君」ではなく、スルスルとスマートにスピードを伸ばしていくタイプ。刺激は少な目ですが、変なストレスもプレッシャーも感じさせません。
1580kg(ローンチエディション)のボディに、最高出力156ps/最大トルク270Nmの動力性能は、十分以上なゆとりをもたらしていると言っていいでしょう。アクセルペダルを踏み込めばその分だけ、力強さを増しながら自然に車速が伸びていきます。加速だけでなくアクセルペダルを抜いた時の減速感も非常にナチュラルで、操りやすい印象でした。
運転しやすさにつながっているのは、ステアフィールも同じ。走りはじめは男性にはやや軽すぎるように思えましたが、身体が慣れてくればほどよいセルフアライニングトルク(直進状態への復元力)とあいまって、適度なヒラヒラ感を楽しむことができます。
驚いたのは路面のコンディションに対する、乗り心地の鷹揚さでしょうか。単純に柔らかいという感じではなく、引き締まっているのだけれど大小を問わずアンジュレーションをしっかりいなしてくれている、感じがあります。
車両の走行スピード抑制するためのハンプ(かまぼこ状に盛り上がった路面)を、ややオーバースピード気味に乗り越えてしまった時にも、変な突き上げ感や底づき感はなし。バランスよくストロークするサスペンションとタイヤ(215/55R18)のマッチングもさることながら、ボディのしっかり感に、ジープの血統を改めて実感させられました。