世界70カ国で販売されているスズキの世界戦略車
コロナ禍も落ち着き、安定した生産を続けられるようになったスズキは、2024年1〜9月の販売実績で軽四輪車は44万8945台(前年比111.6%)、登録車は9万9179台(同108.2%)、合計で54万8124台(同111.0%)と、なかなか好調だ。これには、2023年11月にスペーシア、同年12月にスイフトと、立て続けに発表したニューモデルの効果もあるのだろう。
そして今回、コンパクト クーペSUVのニューモデル、フロンクスを日本に導入する。
フロンクス(FRONX)という車名は、「フロンティア」と「クロスオーバー」を組み合わせた造語であるという。「日本に導入」と表現したのは、このクルマはインドのグジャラート工場で生産されているから。2023年1月にインドでワールドプレミアされ、インドではSUVとしては最速で累計販売台数20万台を突破。いまやインドだけでなく中南米、中近東、アフリカなど70カ国で販売されている、スズキの世界戦略車なのだ。
そんなフロンクスが満を持して日本に導入されたわけだが、激戦区である日本のコンパクトSUVマーケットに導入するために、日本仕様は専用に開発されている。
ただし、4mを切る全長のコンパクトなクーペSUVのスタイリングに変更はない。グリルから放射状に広がるバンパー。シルバー調のアンダーガーニッシュやホイールアーチモールでSUVの力強さを演出。LEDデイタイムランニングランプの下に配したヘッドランプ。横一文字のテールランプなど、個性的で存在感のあるスタイルは強い立体感も表現している。サイズ以上に大きく感じられるスタイリングだ。
インテリアでは、パールブラックや高輝度シルバーの塗装による意匠が、SUVらしい力強さに上質さや洗練さを感じさせる。インパネやシートのカラーはボルドー/ブラックの2トーンが個性を主張している。シートと表皮はレザー調とファブリックのコンビだが、ボルドー色の使い方などは日本仕様専用だ。さらに、前席シートヒーターやリアヒーターダクト、ドアミラーのヒーター、ラゲッジボードのアレンジ、ステンレス製ペダルプレートなども、日本の使用状況に合わせた専用装備だ。