2023年1月に発売を開始したBYD ATTO3。実は2024年3月にアップデートが実施されていました。そこで今回は「進化した点」と、気になる「乗り味」についてご紹介していきます。

なめらかなドライブフィール、ガッチリした乗り心地はまさに高級車(?)

実際にアップデートされたATTO3に試乗しました。と言っても、走行に関わるハードウェアの変更はないので、2023年に登場したものと同じ乗り味ですが、改めてATTO3の魅力を感じる仕上がりでした。

画像: ATTO3の最小回転半径は5.3mとコンパクトカー並みの小回り性能を実現。都心部でも扱いやすいのは嬉しい。

ATTO3の最小回転半径は5.3mとコンパクトカー並みの小回り性能を実現。都心部でも扱いやすいのは嬉しい。

まず大前提としてお伝えしたいのは、ATTO3をはじめ日本で販売されるBYDは完全電気自動車(BEV)です。中でもATTO3は、58.56kWhのバッテリー容量を備えたFWD(前輪駆動)モデルで、最高出力204ps、最大トルク310Nmのアウトプットを誇ります。気になる航続距離はWLTCモードで470kmを実現しており、競合他車と遜色ない性能を有しています。

今回は横浜で車両を借り出し、東京湾アクアラインを通り、木更津方面へ向かうルートで試乗しました。その後一般道路を1時間程度走行して、同じルートで横浜へ戻りました。

まず乗り始めてボディのガッチリ感を感じました。道路の継ぎ目などで感じられるショックも「ドスン」と表現したくなるような重みのあるもので、端的に言えばヨーロッパ車に近い乗り味です。一方で、ATTO3は同サイズのライバル勢のBEVと比べて車両重量は1750kgとかなり軽く、ハンドル操作に対する追従性や、右左折の際のボディの動き方はかなり軽快な印象を持ちました。したがって、非常に剛性感の高い「イイモノ感」を感じる乗り味だったといえます。

その後、高速道路へ入り料金所から速度を高めていくシーンでは、必要にして十分な加速(+α)を見せてくれました。BEVの加速で期待される「ドカン」系の加速ではなく、あくまで加速時のマナーが良くて、じわじわとトルクの太さを感じるようなセッティングが好印象でした。これはほかのBYDのモデルにも感じられる加速特性なので、このドライブフィールはBYDというブランドの「味付け」なのでしょう。ここでも、ATTO3の「ちょうど良さ」を感じることができました。

高速道路での印象は、一般道路と変わらず「剛性感」を感じる乗り味です。装着されるタイヤはコンチネンタル製のエココンタクト6Qで、高速道路のRの強いカーブでは高いグリップ力を与えてくれる安心高いもので、ATTO3の欧州的な乗り味を生み出すひとつの要因になっていると感じました。

一方で少し気になったのは、高い車速域(80km/h〜100km/h)で段差を乗り越えたときのショックが大きかったことです。基本的にガッチリとして引き締められたスポーティな味付けがされている、という性格上致し方ないとも言えますが、コンパクトSUVという幅広いユーザーに訴求すべきセグメントのモデルにとっては、少しスポーティさが強すぎるようにも思います。またブレーキタッチがやや旧世代的な回生ブレーキのフィーリングは少々慣れが必要だと感じました。

ただし、前述のポイントを除けばATTO3のドライブフィールは総じて好印象で、とにかく「安定感のあるドイツ的な乗り味だなあ」としみじみしながらドライブを楽しみました。そして特筆すべきは静粛性の高さで、風切り音やロードノイズは徹底的に押さえ込まれている印象でした。

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