人気の北米市場に合わせた走りのフィール
とはいえ、今回のフルモデルチェンジは正常進化といったところだが、Mクラスは初代から北米で大人気のモデルなので、こういった方向になったのだろう。実際乗ってみると、何となくアメリカンなフィーリングが伝わってくる。
特にステアリングホイールをスッと切るとパッとクルマの鼻先の向きが変わり、その後ジワリとボディの向きが変化するといったハンドリングは、大きなクルマをラクに取りまわせるという、いわゆるアメ車に近い感覚だ。残念ながら、ちょっと気になったのはブレーキフィールだ。少々センシティブで、踏み始めの制動力の立ち上がりが大きく、慣れるまでコントロールが難しかった。
それでもアクセルペダルのフィーリングはバッチリだ。V6エンジンは先代からパワーが34ps、トルクが20Nmも向上したが、むやみに速いという印象よりも、トルクで走るような大らかさが、Mクラスにはピッタリだった。燃費もアイドリングストップ機構などが加わり、JC08モードで10.4km/Lと二ケタ台に乗ってきたのは、ロングドライブなども多いSUVとしては助かるポイントだ。
右ハンドルが設定されたディーゼルモデルや、V8の5.5Lエンジンを搭載したAMGモデルのデリバリーは少し先からになる予定だが、特にディーゼルモデルは気になるところ。より使いやすくなったというオフロード性能と合わせて、近いうちにぜひパフォーマンスを味わってみたい。
メルセデス・ベンツ ML350 4マティック ブルーエフィシェンシー 主要諸元
●全長×全幅×全高:4810×1925×1795mm
●ホイールベース:2915mm
●車両重量:2120kg
●エンジン:V6 DOHC
●総排気量:3497cc
●最高出力:225kW(306ps)/6500rpm
●最大トルク:370Nm(37.7㎏m)/3500-5250rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・93L
●JC08モード燃費:10.4km/L
●タイヤサイズ:255/55R18
●当時の車両価格(税込):750万円