ロングドライブに行きたくなるのは「遊びの才能」を確かめたいから?
試乗を通じて少し気になったのは、路面のアンジュレーションや凹凸が、ややわかりやすく伝わってくる傾向があったところ。2トンを超える車両重量をいなすために、タイヤ空気圧が少し高めに設定されていることが影響している可能性はあります。
また、純正装着されるHondaCONNECT対応ナビディスプレーの、操作に対する反応がやや鈍いところも気になりました。水素ステーションの検索など、機能的には非常に優れているので、さらなるグレードアップを期待したいところです。
試乗の締めは「水素のある生活」を実体験するために、最寄りの水素ステーションで充填を試してみることに。専門の係員が対応してくれましたが、ガソリン並みとは言わないまでも、充電とは比べ物にならない短時間で済ませることができました。
正味3分ほどで入った水素の量は0.91kg。当日の水素のお値段は1650円/kgだったので、支払い金額は1500円ほどでした。メーター読みでの航続距離は約100km伸びていましたが、航続距離そのものはカタログ値まで伸びていませんでした。
ただし開発者によればこの航続距離は、運転の仕方によって大きく変わるのだとか。とくに、都市部での試乗会のようなシーンではアベレージで厳しい数値が出やすくなるというお話。だとすればやはり長距離を丁寧に走った時にどこまで伸びるのか、ぜひ試してみたいところです。
長距離と言えば、自慢の外部給電機能をとことん試せる「オートキャンプ試乗」や「BBQツアー」に挑戦してみたいし・・・カーボンニュートラルにより近いと言われる水素エネルギーのある生活と言えば、大自然の中でレジャーを楽しむシーンでのチェックも外せません。
窮屈な都会を飛び出して初めてわかるCR-V e:FCEVの素顔もぜひ、見てみたいものです。
ちなみに当面の年間販売台数は70台、2024年11月時点でこのうち60台が販売されましたが、中でも一般ユーザーからは約15台の注文が入っているそうです。果たしてどんな使われ方をしているのか、「水素と暮らす生活」をどんなふうに楽しんでいらっしゃるのか、とても気になりますね。
ホンダ CR-V e:FCEV 主要諸元
●全長×全幅×全高:4805×1865×1690mm
●ホイールベース:2700mm
●モーター定格出力:60kW
●モーター最高出力:130kW(177ps)
●モーター最大トルク:310Nm(31.6kgm)
●燃料電池スタック最高出力:92.2kW(122ps)
●駆動方式:FWD
●水素タンク容量:109(前:53/後:56)L
●WLTCモード一充填走行距離:約621km
●WLTCモード一充電走行距離:約61km
●タイヤサイズ:235/60R18
●車両価格(税込):809万4900円