2024年7月19日から、70台限定で日本市場復活を果たしたCR-Vに公道初試乗。水素で走るSUVは、パッケージングや乗り味の面で、独自のメリットを実感させてくれました。新しい時代を創造する「E-Life Generator」はなるほど、とっても「元気」一杯!です。(文:神原 久Webモーターマガジン編集部/写真:永元秀和)
SUVならではのパッケージ性能が生む様々な優しさ
CR-V e:FCEVの個性としてさらに注目すべきは水素で走る市販SUVである、ということでしょう。クラリティや、トヨタMIRAIのようなセダンタイプとはまたひと味違う可能性を感じさせてくれる、テストドライブとなりました。
CR-V e:FCEVがSUVであることの恩恵は、何と言っても扱いやすい荷室とゆったりとした居住空間にあります。運転席だけでなくすべての席から見える景色は、目線が高く開放感に満ちていました。
北米で市販されているプラグインハイブリッドモデル「CR-Ve:PHEV」をベースに開発されましたが、生来の優れたパッケージングは健在。大容量の高圧水素タンク2本を荷室と後席下に積みながらも、十二分なゆとりが確保されています。
スペース効率の点で言えば、従来のクラリティFUEL CELLに比べて小型化、軽量化が徹底された新世代のFCシステムやパワートレーンの恩恵も大きいことは確か。
ユニークなのは、水素タンクを収めたボックス部の張り出しを利用したラゲージスペースの使い勝手です。フレキシブルボードを使うことで、背もたれを倒した時には凹凸の少ない搭載スペースを作ることができます。重量物が置けるように剛性感の高いボードは持ち運びするにはやや重めですが、逆にそれが「なんでも置けそう」な安心感につながっています。
パッケージという意味では、後席の足元が広いことにも感心しました。同時に、開口部からの乗り降りの時の姿勢が非常に自然なこともまた、SUVならでは。たとえばお年寄りが乗り降りする時もラクそうです。