F55型からF65型へ進化。仕上がりは紛れもなくフルモデルチェンジ。
さて、本日の主役となる「MINIクーパー 5ドア」は、2014年に登場したMINI 5ドアの後継モデルにあたります。これまでMINIは3ドアハッチバックを基本としていましたが、市場からの大きな要望とさらなるラインナップの拡充のため登場したそれは、3代目MINIより70mmホイールベースを延長し、その恩恵をリアシートに注ぐことで広い後席空間を実現しました。MINIらしいアイコニックで親しみのあるデザインはそのままに、リアドアを追加してファミリーユースの資質を高めたことで、大変な人気を獲得しました。
新型MINIクーパー 5ドアは、その先代モデルとなるF55型で採用されたプラットフォームを踏襲していますが、モデルコードはF65であることから、全面改良に位置づけられています。その進化ぶりは、走りを含めて「新世代」を謳うにふさわしいものであることを、確認することができました。
新型MINIクーパー 5ドアのボディサイズは全長4035×全幅1745×1470mm。先代と比べると全長は20〜35mm、全幅は20mm、全高は25mm拡大しています。しかし依然として、Bセグメントに属する小さな体躯が特徴です。フォルクスワーゲン ポロやルノー ルーテシアなどのライバル勢と比較しても、ボディサイズの小ささという点においてアドバンテージがあるのは嬉しいポイントです。
エクステリアデザインは、フロントに関しては先代の後期モデルから採り入れられたボディカラー同色のフロントグリルを踏襲することで、パッと見での大きな変化は見られません。ただし、リップ部分がやや丸みを帯びた造形とされることでより柔和なデザインとされたことは初代MINIにも通ずる雰囲気となり、個人的に好印象です。
サイド部分では、Aピラー下部のサイドパネルにこれまで配されていた「サイドスカットル」が新型では取り払われ、シンプルさを増しました。サイドウインカーがドアミラー内に移設されたため加飾が不要となったとはいえ、少し遊び心を失ったような寂しい部分でもあります。また、キャビンを囲うようにデザインされているサイドモールは従来のメッキパーツから、ブラック塗装へ変更されました。フロント同様に「シンプルさ」を追求したように思われます。
そしてリアを確認すると、先代と比べると大きく異なることがわかります。まず目を惹くのは、コンビネーションランプです。これまでの角丸の四角形から、尖った三角形のようにデザインが大きく変わりました。これは先に登場した新型MINI3ドアと同じく、次世代のMINIデザインへ移行したことがわかります。またエキゾーストパイプがロアバンパーで隠されるようになり、よりクリーンでシンプルな雰囲気を感じさせるデザインとなりました。