パワーアップが図られた新型のパワートレーン。走り味はMINIそのもの。
遅くなりましたが、試乗に入ります。今回お借りしたモデルは新型MINIクーパー 5ドアの中でもっともリーズナブルなモデル「C」です。1.5L直3DOHCターボエンジン「B38A15P」は最高出力156ps、最大トルク230Nmを誇ります。これは先代に搭載された「B38A15」よりも同20ps/30Nmのパワーアップが図られており、その進化ぶりが期待されます。
走り始めて驚いたのは、その静粛性。タイヤのパターンノイズやパワートレーンから発生するノイズレベルが先代と比べて大きく低減している印象でした。とくにエンジンのアイドリングストップ&スタート機能による再始動時のノイズ、そしてバイブレーションが相当抑え込まれていました。
速度を増していくと、先代よりもとくに低回転域でのトルクが太くなった印象で、パーシャルでアクセルペダルを踏み続ける加速に対しては、力強さが増しており、日常走行においてパワー不足を感じる機会はありませんでした。
乗り心地に関しては、ハッキリと硬く、常にガチっとした「剛性感」を感じることができます。MINIの可愛らしいルックスから想像するよりもずっと硬派で、BMW色の強い(すなわちドイツ車ぽい)走り味が特徴です。ただし先代モデルよりも、ひとクラス上質になった雰囲気は、この走りからも感じることができました。
高速道路へ入ると、さすがにロードノイズも大きくなり、ゴォーゴォーとタイヤからの音が車内へ響くようになります。が、それは先代のそれと比べるとハッキリと静かであり、同セグメントのライバル勢と比べても同等レベルであるとお伝えすることができます。
直進安定性はさすがMINIで、ビタっと路面にへばりつくような所作は、エントリーモデルの「C」であっても感じることができます。ひとたびレーンチェンジでハンドルを切ると、スパッとノーズの向きが変わる「ゴーカートフィール」を体感することができます。運転する楽しさ、を全面的に感じることのできる仕上がりです。