2012年末に初代アウトランダーPHEVが発表された時の衝撃は忘れない。極めて画期的な機構や走りに新時代の幕開けを感じた。21年12月に現行型へモデルチェンジ、そして3年を迎える24年10月31日に大がかりな改良とともに新たな仕様が発表された。(文:岡本幸一郎/写真:永元秀和、井上雅行 MotorMagazine 2024年12月号)

輸入車ブランドからの乗り換えが、ますます増えそう

大がかりな改良が実施されたアウトランダーPHEVは、EV航続距離や動力性能、快適性の向上とともに内外装の質感アップと機能・装備の充実が図られている。

画像: 駆動用リチウムイオンバッテリーの容量が、従来の20kWhから22.7kWhに拡大されたが、それはバッテリー本体がまったく新しいタイプへ刷新されたことによるもの。バッテリーサイズ自体もわずかに大型化したため、搭載するにあたってはフロア構造の変更も行われているという。

駆動用リチウムイオンバッテリーの容量が、従来の20kWhから22.7kWhに拡大されたが、それはバッテリー本体がまったく新しいタイプへ刷新されたことによるもの。バッテリーサイズ自体もわずかに大型化したため、搭載するにあたってはフロア構造の変更も行われているという。

「威風堂堂」をコンセプトに、三菱のフラッグシップに位置づけられた現行型の評判は上々で、力強く存在感のある外観デザイン、PHEVシステムを含めた動力性能、ツインモーター4WDと四輪制御技術「S-AWC」による高い操縦安定性、3列7人乗りシートによる使い勝手の良さなどが高く評価されてきた。輸入プレミアムブランドのSUVを愛用してきた層が乗り替えるケースも少なくないらしく、今回の改良には彼らの声も反映されているという。

また2025年の春以降には欧州や豪州、ニュージーランド、北米などへの市場投入も予定されており、ますます競合車としのぎを削ることになる。こうしたことから今回の大幅改良では、好評の部分はキープコンセプトとしながらも、海外のプレミアムブランド勢や同セグメントの競合車に対して見劣りすることがないよう、より「洗練」と「上質」の価値観に重点を置いて正常進化させたとのこと。

まず駆動用バッテリーが刷新され、EV航続距離が約20 km伸長して100kmを超えた。先駆者であるアウトランダーも、ついに3桁距離の大台に乗ったのだ。

走りについては、より上質で安定した乗り心地を実現すべく、サスペンションが最適化され、さらに新タイヤの採用が行われた。

変わっていないようでも、実際はより力強く上質に

エクステリアデザインは一見しただけだとさほど違わないように感じるが、フロントがスッキリとし、前後のスキッドプレートが力強い印象になって「威風堂堂」ぶりに磨きがかけられた。リアコンビランプの意匠も新しくなり、斬新なデザインになったホイールも目を引く。ボディカラーでは、新色のムーンストーングレーメタリックが近年のトレンドカラーであるグレー系の中でもひときわ新鮮だ。

画像: スマートフォン連携ナビゲーションのモニターが9インチから12.3インチに大型化。コネクティッド機能の拡充によりナビゲーション上でストリートビューや航空写真ビューも見られる。

スマートフォン連携ナビゲーションのモニターが9インチから12.3インチに大型化。コネクティッド機能の拡充によりナビゲーション上でストリートビューや航空写真ビューも見られる。

画像: 従来型よりも、さらなる上質感を求めた雰囲気のデザインに変更されたシート。このインテリアカラーのブリックブラウンはエグゼクティブパッケージ専用。

従来型よりも、さらなる上質感を求めた雰囲気のデザインに変更されたシート。このインテリアカラーのブリックブラウンはエグゼクティブパッケージ専用。

インテリアも装備の充実と質感の向上を図るべく、ナビゲーション機能などの画面大型化やコネクティッド機能の強化、そしてシートベンチレーション機能搭載などが実施された。さらにフレームレスのデジタルルームミラーやアルミ製ペダルの採用、室内ランプのLED化などといった細かいところにも手が加えられている。

またヤマハとの共同開発によるオーディオシステムが新たに用意されたことや、最上級グレード「P エグゼクティブ パッケージ」の設定も注目すべきポイントである。

このエグゼクティブパッケージではより上質な空間デザインとなり、マッサージ的なリフレッシュ機能まで備えたセミアニリン素材のレザーシートやヤマハオーディオで2種類あるうちの「アルティメット」と呼ぶ上級仕様が標準装備されるので、実質的には決して割高ではない設定とも考えられる。

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