DBX707というスーパーSUVが加わったことで、セールス的にも順調なアストンマーティン。そのメインストリームを担う2ドアスポーツモデルのトップに君臨するのが、最新V12エンジンを搭載するヴァンキッシュである。その凄さを知った。(文:大谷達也 写真:アストンマーティン ジャパン)

リニアな力感が生む、上質な加速フィール

新型ヴァンキッシュの登場で、メインストリームモデルのリニューアルは一巡したとアストンマーティンは説明する。彼らがいうメインストリームとは、DBX707、DB12、ヴァンテージ、そしてこのヴァンキッシュの4台で、いずれも過去18カ月間にリニューアルを行ったというのだ。

画像: リアスタイルはほのかに未来感を漂わせつつも、しっかりグラマラス。スーパーGTカーとしての快適性も実現。

リアスタイルはほのかに未来感を漂わせつつも、しっかりグラマラス。スーパーGTカーとしての快適性も実現。

たしかにDB12とヴァンテージはこの1年ほどでフルモデルチェンジを受けた。ではDBX707はどうかというと、モデルチェンジではないものの、インフォテイメント系を刷新して操作性を向上させたとのこと。私自身は、マット・ベッカー氏が2015年にチーフエンジニアへ就任して以降にデビューしたDB11、ヴァンテージ、DBS、DBXの4台で新世代ラインナップは完結したと捉えていたが、そこから数えれば、これで2巡目のモデル刷新を完了したといえるだろう。

ところで、先代はDBSと呼ばれていたV12エンジン搭載のフラッグシップモデルが、なぜ現行型ではヴァンキッシュと名を変えることになったのか? どちらもアストンマーティンの伝統的なモデル名であることに変わりはないが、同社広報トップのケヴィン・ウォターズ氏からは「DBSはDB11ベースのハイパフォーマンス版だったのに対し、ヴァンキッシュはDB12から完全に独立したモデル」との説明を受けた。

たしかに、DBSのホイールベースは2805mmで同時期のDB11と共通。しかし、DB12が同じ2805mmのホイールベースを引き継いだのに対して、新型ヴァンキッシュは2885mmと80 mmも長い。そしてアルミニウムボンネットというボディ構造自体こそ共通ながら、ヴァンキッシュには新設計のシャシを用意。ねじれ剛性や曲げ剛性も大幅に向上させたほか、ボディパネルにカーボンコンポジットを採用するという贅沢な作りとされた。なるほど、DB12とは別物といえるだろう。

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