ベントレーの4ドアサルーンであるフライングスパーが、第4世代へ進化を果たした。新型の大きな進化はパワートレーンで、トップモデル「スピード」がプラグインハイブリッド車(PHEV)となった。アメリカ・アリゾナ州でいち早くハンドルを握った印象をお届けする。(文:山崎元裕 写真:ベントレーモーターズ/MotorMagazine 2025年2月号より)
4L V8ツインターボにエレクトリックモーターをプラス
ベントレーは今、これまでの「ビヨンド100」戦略をさらに進化させた「ビヨンド100+」戦略に基づいて新型車の誕生を計画している。

リアスタイルは先代モデルによく似るが、左リアフェンダーに外部給電口が設置されているのが確認できる。

V8ツインターボとなったスピード。エンジンルームは美しくレイアウトされるほか巨大なタワーバーが備わる。
その最終的な目標は、2030年以降のさらに高い環境目標を設定し、2035年には自社製品の完全電動化を実現すること。つまり今回試乗した、新型フライングスパーのようなPHEVは、その計画の実現にとても重要な役割を果たす製品となる。
新型フライングスパーは、2005年に登場した初代から数えて(ベントレーの歴史を振り返れば、正確には“復活”したということになるのだが)、4世代目に相当するモデル。
そして、そのトップレンジを担う「スピード」に搭載されるエンジンは、これまでの6L W12ツインターボから一転、新開発の4L V8ツインターボにエレクトリックモーターを組み合わせた、「ウルトラ・パフォーマンス・ハイブリッド」へと進化した。
システム全体の最高出力は782ps、最大トルクは1000Nmという数値だが、これは先代W12のそれと比較して各々19%、11%もの強化に相当するものだ。トランクルームのフロア下に搭載されるバッテリーは25.9kWhで、EV走行距離は最大81 kmだ。