6代目新型フォレスターが登場し、そのスポーティな走りが話題を呼んでいるが、歴史を見れば、フォレスターは初代からすでにSTI(スバル テクニカ インターナショナル)と共同開発したスペシャルモデルを投入している。ここからは歴代フォレスターで登場したSTIのコンプリートカーを振り返ってみよう。
フォレスター STI II type M(2001年):SF型[800台限定]
初代フォレスターはデビュー前から24時間世界速度記録に挑戦するなど、クロスオーバーSUVカテゴリーで世界トップクラスのポテンシャルにこだわっていたが、デビュー後もSTIの手によってオンロード性能が高められたモデルを投入。2000年5月にはそれを名実共に示した「S/tb-STi」を発表、2001年10月にはその進化モデル「S/tb-STi II リミテッド」、モータースポーツフィールドで培ったノウハウが注ぎ込まれたコンプリートカー「STI II タイプM」(800台限定)が発表された。

2000年5月に登場した「S/tb-STi」。S/tbグレードをベースに、STIの手によってオンロード性能が向上された特別仕様。
コンプリートカー「STI II タイプM」は、吸排気系の効率を高め、専用スポーツECUにより最高出力を250psとしたEJ20型水平対向4気筒DOHCターボエンジンを搭載。専用ストラット&コイルスプリングを装着し、ブレーキは大径フロント16インチ、リア14インチに変更され、フロントバンパーにはブレーキ冷却用ダクトが新設されていた。タイヤ&ホイールは225/45R17タイヤにRAYS製17インチ鍛造アルミホイールを組み合わせる。
また、エクステリアには専用フロントバンパー、専用リアバンパー&大型リアスポイラー、サイドアンダースポイラーが装着され、インテリアにはチェリーレッドステッチのMOMO製本革スポーツステアリングホイールやSTIロゴ入りのスウェード調シート、本革シフトノブ、ブレーキレバーが採用されていた。
初代フォレスターにはSTIの手によってチューンされたのではと思われるモデルがいくつかあったが、「STI II type M」はその中でも、走る愉しさ、所有する悦びを両立させた「究極のフォレスター」だった。

2001年10月に登場した「S/tb STi II リミテッド」。「S/tb-STi」の第2弾。
「スバル フォレスターSTI II type M」(2001年) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4485×1735×1535mm
●ホイールベース:2525mm
●最低地上高:170mm
●車両重量:1410kg
●エンジン:水平対向4気筒DOHCターボ
●エンジン型式:EJ20
●総排気量:1994cc
●最高出力:184kW(250ps)/6000rpm
●最大トルク:309Nm(31.5kgm)/4000rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:シンメトリカル4WD
●車両価格(税込):260万円(2001年当時)
●限定台数:800台