最新型は8.5世代目となっている世界的ベストセラー車・VWゴルフ。初代モデルは1975年3月から日本への導入が開始され、今年で50周年を迎える。ここでは、その半世紀の足跡を辿った「VW ゴルフ クロニクル vol.1」(2025年2月25日発売)から、モーターマガジン誌1984年3月号で取材した二代目モデルの日本での初取材試乗記事より、その抜粋した内容をお届けしよう。また三代目ゴルフおよび四代目ゴルフを取り上げた「VW ゴルフ クロニクル vol.2」(2025年5月28日発売)も刊行されたので、こちらもよろしくお願いいたします。

VWの質素なイメージから、はるかに離れた高品質感

画像: Ciガソリンのフロントシート。シート形状は従来型を踏襲している。

Ciガソリンのフロントシート。シート形状は従来型を踏襲している。

サイズアップがニュー・ゴルフ最大の改良点だが、角がとれたせいか一向に大きさを感じない。しかしキャビンに入り、シートに座った瞬間にはこの車の大きさがヒシと実感できる。室内幅の余裕を実際に増加した寸法以上に感じさせ、まるで別ものの車のようだ。とくに左ハンドルモデルではその感が強い。

そして一段と高級感が増したのも特筆すべきことだ。全面クロスになったドア内張りなどがその役者で、格段に豪華さを増したインテリアは「フォルクス・ワーゲン」の概念からはるかに離れた高品質感が漂う。インストルメントパネルもデザイン変更されているが、やはり従来どおりの「ゴルフらしさ」は残っている。メーターのクラスター部分はかなり大型で、近年の傾向とは異なる方向を探っているようだ。

徹底的な省燃費を狙った超ODレシオの5速ギア

試乗は、ガソリン、ディーゼルともMT仕様で、今回AT車は都合がつかなかった。シフトパターンはハンドルの位置とは無関係に同じもの。もちろん5速であるが、VWのマニュアルの場合、4速がすでに0.909とオーバードライブの高ギア比。だから超OD(0.745)の5速はクルージング専用という、いってみれば4速+ODと覚悟を決めた方がいいような徹底省燃費型ギア比である。

左ハンドルのCiは、ペダルのレイアウトや相互のレベルが適切だが、右ハンドル仕様のCディーゼルはやや不自然。左足のスペースが足りない(時々センターコンソールに干渉する)のはある程度機構上やむを得ないが、アクセルペダルとブレーキペダルのレベルは妙に大きく段差をつけられているのだ。

従来型ゴルフのステアリングは保舵力を相当必要としたが、新型は少し重みがとれた。(…続きはムックにて)

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