1950年の誕生以来、多くの人々に親しまれてきた「ワーゲンバス」。そのDNAを色濃く受け継ぎながら、BEV専用モデルとして生まれ変わったのがID. Buzzだ。唯一無二のスタイルに、快適な走りと広大な室内空間を持つのが特徴。ついに日本上陸を果たしたその魅力に迫る。(撮影:永元秀和)
令和のワーゲンバスがついに登場

日本に導入されたのはロングホイールベース仕様(左)と標準仕様(右)。ともにグレードはPro。ホイールベース(全長)の差は250mm。標準仕様は6人乗りで、ロングホイールベース仕様は7人乗りとなる。
1950年に量産を開始し、「ワーゲンバス」の愛称で親しまれたフォルクスワーゲン タイプ2。そのヘリテージを継承しつつ、新たなブランドアイコンとして開発されたのが、フル電動ミニバンのID.Buzzである。
注目すべきは、やはりそのスタイリングだ。タイプ2のDNAを受け継ぐショートオーバーハングのプロポーション、フロントの特大フォルクスワーゲンロゴ、2トーンカラーの配色ライン、そして現代風にアレンジされたクラシックなスライディングウインドウなど、細部に至るまでアイコニックなデザインが貫かれている。
現代的でありながらも、クラシックカーへの敬意を忘れないその姿は、乗らずとも多くの人を惹きつける力を持っている。日本でも2022年のイベントで実車が展示されていたので、姿形を目にしたことがあった人もいると思うが、あれから早3年、本当に日本で走れるようになる日が来るとは……。
今回試乗したのは、ホワイト×グリーンの2トーンが印象的なキャンディホワイト/ベイリーフグリーンメタリックのノーマルホイールベース仕様Pro。