「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、クライスラー 300だ。

大きなクルマを作り慣れたクライスラーらしい仕上がり

画像: 20インチタイヤを装着しているがバネ下のバタつきは抑えられ、しかもステアリングはクイックで軽快だ。

20インチタイヤを装着しているがバネ下のバタつきは抑えられ、しかもステアリングはクイックで軽快だ。

パワートレーンは新開発の3.6L V6エンジンとZF製8速ATという組み合わせ。排気量が3.6Lもあるのだから、動力性能は余力十分。とても滑らかで、静粛性も高く、ドライブフィールにも高級車らしい味わいがある。クライスラーというとハイパワーのHEMIをイメージするところだが、ひとまず今回は設定なし。ただし、そう遠くない将来に高性能版の「SRT8」を導入するという情報もあるので、パフォーマンス重視派は期待して欲しい。(編集部註:クライスラー300 SRT8は2013年3月に日本でも発売されました)

先々代のメルセデス・ベンツ Eクラスをベースとするシャシもさらに熟成され、より快適な乗り心地を実現している。試乗車には20インチタイヤが装着されており、バネ下はそれなりに重いはずだが、バタつきはよく抑えられており、ステアリングはクイックで身のこなしは意外なほど軽く、巨体ぶりを感じさせない。さすがはクライスラー、こうした大きなクルマを作り慣れていることを感じさせる仕上がりだ。

さらには安全装備についても、ここでは書ききれないほどの目を見張るほどの充実ぶり。数々の最先端装備を満載している。内容を考えると価格も控えめだ。クライスラー 300は大いに注目に値する、出色の高級フルサイズセダンだった。

画像: 286psと340Nmを発生する3.6LのV6にZF製8速ATを組み合わせる。従来型より燃費も向上している。

286psと340Nmを発生する3.6LのV6にZF製8速ATを組み合わせる。従来型より燃費も向上している。

クライスラー 300 ラグジュアリー 主要諸元

●全長×全幅×全高:5070×1905×1495mm
●ホイールベース:3050mm
●車両重量:1900kg
●エンジン:V6 DOHC
●総排気量:3604cc
●最高出力:210kW(286ps)/6350rpm
●最大トルク:340Nm(34.7kgm)/4650rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:レギュラー・72L
●JC08モード燃費:9.2km/L
●タイヤサイズ:245/45ZR20
●当時の車両価格(税込):538万円

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