F1やル・マンで培ったマクラーレンのDNAは市販車にも息づく。そんなマクラーレンの現在の市販モデルを一度に体験できる時がやってきた。なんとも贅沢な試乗会である。快適性と俊敏さを備えたGTS、圧倒的な軽さとパフォーマンスを誇る750S、そして電動化の未来を示すPHEVアルトゥーラを一度に体験。ブランドの現在と次章を探った。(写真:永元秀和)

モータースポーツのDNAを受け継ぐ、唯一無二のブランド

画像: 750Sに搭載される4L V8ツインターボエンジン(M840T)。最高出力は750ps/7500rpm、最大トルクは800Nm。

750Sに搭載される4L V8ツインターボエンジン(M840T)。最高出力は750ps/7500rpm、最大トルクは800Nm。

マクラーレンと聞けば、スーパースポーツカーのブランドであると同時に、モータースポーツの強烈なイメージを思い浮かべる方が多いだろう。ロードカーの歴史を振り返れば、1985年にマクラーレン・カーズを設立し、1992年には当時世界最速(386km/h)の市販車「マクラーレンF1」を発表。他ブランドと比べれば歴史は長くない。

だが1995年、ル・マン24時間レースで市販車ベースのF1 GTRが総合優勝を飾った事実を抜きにして、このブランドは語れない。その成功はメルセデス・ベンツとの共作SLRマクラーレン(2004年)、さらには2010年のマクラーレン・オートモーティブ設立へと繋がっていく。

インディアナポリス500(1974年)、モナコグランプリ(1984年)、ル・マン24時間(1995年)の「世界3大レース」を制した唯一のマニュファクチャラーであること。そして60年以上にわたるF1での輝かしい戦績。そこからフィードバックされたカーボンファイバーモノコックなどの独自技術は、マクラーレンをスーパースポーツカー市場で唯一無二の存在へと押し上げてきた。

軽さが生む、研ぎ澄まされた純血スポーツ「750S」

画像: ディへドラルドアを開ければ、カーボンファイバー製モノコック構造を感じさせる骨太な開口部が出現。

ディへドラルドアを開ければ、カーボンファイバー製モノコック構造を感じさせる骨太な開口部が出現。

まずステアリングホイールを握ったのは、ピュアスポーツの750S。乗り出した瞬間から血統の高さを誇示する。カーボンモノコックがむき出しとなるキャビン、体を押し込むタイトなバケットシート、そしてスタートスイッチを押した瞬間に響く軽快なV8サウンド。すべてが特別だ。

走り出せば硬質で、軽量かつ強靭なモノコックの剛性をダイレクトに実感。決めたラインに吸い付くように進むコントロール性と、それに応えるロードホールディングの高さは圧巻だ。60km/h前後の速度域でもポテンシャルの片鱗を十分に味わえ、公道でもその凄みを感じ取れる。ただし本領はやはりサーキットだろう。

車両重量1440kgに対して最高出力750ps、パワーウエイトレシオは1.92kg/ps。数値が物語るとおり、その性能は圧倒的だ。GTSの1520kgと比べても軽さは際立ち、マクラーレンが重視する「ライトウエイト」の思想が全身に息づいている。

画像: カーボンファイバー製モノケージIIモノコックによる剛性感とその軽さがもたらす走りの良さを体感した。

カーボンファイバー製モノケージIIモノコックによる剛性感とその軽さがもたらす走りの良さを体感した。

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