F1やル・マンで培ったマクラーレンのDNAは市販車にも息づく。そんなマクラーレンの現在の市販モデルを一度に体験できる時がやってきた。なんとも贅沢な試乗会である。快適性と俊敏さを備えたGTS、圧倒的な軽さとパフォーマンスを誇る750S、そして電動化の未来を示すPHEVアルトゥーラを一度に体験。ブランドの現在と次章を探った。(写真:永元秀和)

快適性と俊敏さを両立したグランドツアラー「GTS」

画像: フロントトランクのほかにリアトランクも用意し、グランドツアラーとして快適なドライブができるGTS。

フロントトランクのほかにリアトランクも用意し、グランドツアラーとして快適なドライブができるGTS。

一方GTSは、その名のとおり「GT」と位置づけられ、ボディサイズはもっとも大きい。フロントトランクやシート背後、リアトランクと荷室が豊富なのも特徴だ。走りも快適性を重視し、地を這うような低さを除けばラグジュアリークーペのよう。コンフォートモードでの走りは優雅なグランドツアラーそのもので、ロングドライブも難なくこなせそうだ。

街中ではほかと同じようにディヘドラルドアや低い着座位置にこそスーパースポーツであることを感じるが、アクセルペダルを踏み込めば一転、ピュアスポーツの顔を覗かせる。ドライブモードをスポーツに切り替えればステアリングがクイックになり、機敏な身のこなしを見せる。快適性とスポーツ性を高次元で両立するマクラーレン流のグランドツアラーだ。

アルトゥーラ──電動化で拓く次世代のマクラーレン

画像: 電動化時代のマクラーレンのスーパースポーツ、アルトゥーラ。EV走行が可能なので、デフォルトのドライブモードではバッテリー残量があれば無音で移動ができるが、エンジンがかかればいつも通り堪能的なサウンド。

電動化時代のマクラーレンのスーパースポーツ、アルトゥーラ。EV走行が可能なので、デフォルトのドライブモードではバッテリー残量があれば無音で移動ができるが、エンジンがかかればいつも通り堪能的なサウンド。

最後に試乗したのはPHEVのアルトゥーラ。静粛な走りとスーパースポーツの性能を両立したモデルである。試乗時はバッテリー残量が半分程度だったが、それでも10km以上(カタログ値は33km)のEV走行をこなした。軽さにこだわり、フロントにモーターを搭載せず、RWDとしたのも特徴。その結果、車両重量を1498kgに抑えているのはさすが。

パワートレーンは3L V6ツインターボにEモーターという組み合わせで、システム総合出力は700ps、最大トルクは720Nm。本気を出せば圧倒的に速いが、高回転域で響く澄み渡るサウンドと鋭いレスポンスは、このモデルならではの魅力と言える。

今回の3台に共通していたのは、ドライバーと呼吸を合わせるような研ぎ澄まされた一体感だ。タイトなコクピットに収まり、ステアリングホイールを握れば、自然と操れる気がする。そしてその感覚は錯覚ではなく、クルマ自らが応えてくれる。これこそがマクラーレンの真価だろう。

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