しかし、その根底にはポルシェの哲学と血統が確かに受け継がれている。もちろんそれは今回テストドライブした2台の最新モデルからも感じることができる。(Motor Magazine2025年1月号より 文:大谷達也/写真:村西一海)
パナメーラも合格点だが少し気になところもあった
パナメーラも基本的な印象はカイエンGTSクーペとよく似ていて、正確でインフォメーションが豊富なハンドリング、強固なボディをベースとする優れたロードホールディングとスタビリティなどが強く実感できる。しかも、こちらは重心高の低さを生かして、こうした完成度の高いハンドリングを快適な乗り心地で実現。セダンボディの優位性を明確に印象づけたのである。
V6エンジンはV8ほどの滑らかさは感じられないものの、動力性能の点でいえばこれで十分以上。ワインディングロードでも一切不満を覚えなかった。

一方で「GTSの足まわりはひと味違う」と思わせたのが、波打つような路面のコーナーを抜けて行くときの姿勢変化で、カイエンGTSクーペがそこを何ごともなく通過していったのに対して、パナメーラはボディがロール方向に軽く揺さぶられるような挙動を示したのである。重心高が高いことを考えればこれは驚異的なことだが、試乗したカイエンGTSクーペにはオプションのポルシェダイナミックシャシーコントロールシステムスポーツ(PDCC)が装備されていたのに対して、パナメーラのスタンダードモデルはオプションでもPDCCを選べないという違いがあるので、ひょっとするとこれが原因かもしれない。
いずれにせよ、ボディ形状にかかわらずポルシェらしさが明確に息づいている点はさすがというしかない。つまり、2ドアも4(5)ドアも関係ない。ポルシェはあくまでもポルシェなのである。
ポルシェ パナメーラ 主要諸元
●全長×全幅×全高:5052×1937×1423mm
●ホイールベース:2950mm
●車両重量:1380kg
●エンジン:V6DOHCツインターボ
●総排気量:2894cc
●最高出力:260kW(353ps)/5400-6700rpm
●最大トルク:500Nm(50.9kgm)/1900-4800rpm
●トランスミッション:8速DCT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・75L
●WLTPモード燃費:9.5-10.4km/L
●タイヤサイズ:前265/45ZR19、後295/40ZR19
●車両価格(税込):1424万円
ポルシェ カイエン GTS クーペ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4930×1989×1654mm
●ホイールベース:2895mm
●車両重量:2220kg
●エンジン:V8DOHCツインターボ
●総排気量:3996cc
●最高出力:368kW(500ps)/6000rpm
●最大トルク:660Nm(67.3kgm)/2100-4500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・90L
●WLTCモード燃費:8.8-8.9km/L
●タイヤサイズ:前285/45ZR21、後315/40ZR21
●車両価格(税込):1923万円



