2026年5月15日(米国現地時間)、フェラーリは米国テキサス州オースティンで開催されたフェラーリ レーシングデイズにおいて、ワンオフのニューモデル「HC25」を発表した。

とあるオーナーのために造られた、ただ1台のフェラーリ

ほぼ同時期にライバルたるランボルギーニが発表したフューオフモデルの「フェノーメノ ロードスター」に対抗したわけではないだろうが、フェラーリもワンオフモデルの「HC25」を発表した。

画像: 中央部を包み込む3次元の黒い帯が特徴的な、フェラーリのワンオフモデル「HC25」。

中央部を包み込む3次元の黒い帯が特徴的な、フェラーリのワンオフモデル「HC25」。

フェラーリは、たったひとりのオーナーのために希望に添ってスケッチを書き起こして製造する、エクスクルーシブな「ワンオフ」を生み出す、スペシャルプロジェクトプログラムを設定している。車両のプロポーションとフォルムを決定し、デザインを検討し、スタイリング用クレイモデルを製作し、実車の製造工程に入る。その全工程には平均で約2年を要する。最近では、2025年に296をベースにした「SC40」が発表された。

今回発表された「HC25」は、エンジンのみのV8ターボをミッドシップ搭載した最後のオープントップモデルとして2020年に発表された、F8スパイダーがベースだ。ただし、そのピュアでシンプルなフォルムはベース車とは異なるもので、2024年に発表されたスペシャルモデルのF80を彷彿とさせる。

ボディサイズは全長4758×全幅2006×全高1183mmで、ベース車のF8スパイダーより147mm長く、27mm幅広いが、23mm低い。2650mmのホイールベースは変わらない。前後が2つの異なるボディに見え、中央部を包み込む3次元的な黒い帯が特徴的で、ここにラジエター用のエアインテークや、パワートレーンからの排熱口など、熱管理に不可欠なコンポーネントが組み込まれている。

そのプロポーションはガラスの視覚的影響を最小限に抑え、車体のシルエットを形づくるショルダーラインが低く見えるようにされている。オープンモデルゆえのトップに関して言及はされていないが、ベース車と同じRHT(リトラクタブル ハードトップ)を採用していると思われる。照明ユニットはデザインにシームレスに溶け込み、ヘッドライトはこのHC25のために特別に造られた細い形状で、デイタイムランニングランプは縦長タイプを初採用し、フロントフェンダーの前端にブーメラン形状で点灯する。

画像: インパネまわりのデザインは、F8スパイダーと基本的に変わらない。イエローのアクセントが効果的だ。

インパネまわりのデザインは、F8スパイダーと基本的に変わらない。イエローのアクセントが効果的だ。

ボディカラーは、ムーンライトグレーと呼ばれるマットなグレーだが、フェラーリのロゴとブレーキキャリパーのイエローがアクセントになっている。これはキャビンにも反映され、高機能ファブリック製シートのブーメラン状アクセントやインパネのステッチなどにイエローが効果的に用いられている。ホイールは5本スポークがリム外側のダイヤモンド仕上げを目立たせ、外縁部の中の溝がホイール全体を大きく見せる、大胆で特徴的なデザインだ。細いスポークはダークトーンで仕上げられて、内径を強調している。

パワートレーンはベース車からの変更はないようだ。3.9LのV8ツインターボが発生する720psの最高出力と770Nmの最大トルクというスペックは、発生回転数まで含めて変わらない。組み合わされるトランスミッションも7速DCTのままだ。パフォーマンスは、最高速度が340km/h、0→100km/h加速が2.9秒、0→200km/h加速が8.2秒とアナウンスされている。

その車名の由来も不明なワンオフモデル「フェラーリ HC25」。そのオーナーは、果たしてどこの国の、どんな人なのだろうか?

画像: 薄型の分割テールランプやスクエア形状のエキゾーストエンドなど、リアまわりのデザインはベース車とまったく異なる。

薄型の分割テールランプやスクエア形状のエキゾーストエンドなど、リアまわりのデザインはベース車とまったく異なる。

フェラーリ HC25 主要諸元

●全長×全幅×全高:4758×2006×1183mm
●ホイールベース:2650mm
●車両重量:1198kg
●エンジン種類:90度V8 DOHCツインターボ
●総排気量:3902cc
●最高出力:720ps/7000rpm
●最大トルク:770Nm/3250rpm
●燃料・タンク容量:無鉛プレミアム・78L
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前245/35ZR20、後305/35ZR20

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