2026年2月に一部改良を受けたトヨタ ヤリス ハイブリッドZに試乗。35.4km/Lという圧倒的な低燃費に加え、静粛性や乗り心地、日常での使い勝手まで着実に進化していた。派手さではなく「熟成」によって完成度を高めた、いま乗るべきコンパクトカーの実力に迫る。(写真:永元秀和)

走りも快適性も、着実に磨き込まれていた

試乗車は185/55R16サイズのオプションホイール&タイヤを装着していたが、それでも乗り味は実に落ち着いている。低速域では角の取れたしなやかな動きを見せ、高速域では足まわりがしっかりとストロークしながら安定感を生み出す。コンパクトなモデルにありがちな軽さゆえの落ち着きのなさはほとんど感じられなかった。

さらに感心したのが、ワインディングロードでの自然な身のこなしだ。フロントヘビーになりがちなFFハイブリッドでありながら、コーナリング中の姿勢変化は穏やかで、下りのブレーキングでも接地感を失わない。ハンドルの操作に対する反応も自然で、安心感が高い。トヨタのエントリーモデルという立ち位置ではあるが、その走りの質感は確実に磨き込まれていると感じた。

画像: 通常は15インチ(185/60R15)のスチールホイール(樹脂キャップ付き)となるが、オプションで切削光輝+ブラック塗装の16インチアルミホイールを選択することができる。こちらは185/55R16サイズとの組み合わせで、ワインディングロードや高速道路でもスポーティに走ることができる。

通常は15インチ(185/60R15)のスチールホイール(樹脂キャップ付き)となるが、オプションで切削光輝+ブラック塗装の16インチアルミホイールを選択することができる。こちらは185/55R16サイズとの組み合わせで、ワインディングロードや高速道路でもスポーティに走ることができる。

今回の一部改良では、ハイブリッド車に電動パーキングブレーキとブレーキホールド機能が標準装備されたことも見逃せない。とくに渋滞時に便利なブレーキホールドは、日常での疲労軽減効果が大きい。さらにZ/Gグレードのハイブリッド車には前席アームレストも追加され、快適性が向上。Zには10.5インチのディスプレイオーディオPlusも標準装備されるなど、使い勝手は着実に進化している。

画像: Zグレードに標準装備となる10.5インチHDディスプレイにはディスプレイオーディオPlusが搭載される。車載ナビやTVチューナーを搭載するほか、AppleCarPlayやAndroidAutoといったスマートフォン連携も可能。

Zグレードに標準装備となる10.5インチHDディスプレイにはディスプレイオーディオPlusが搭載される。車載ナビやTVチューナーを搭載するほか、AppleCarPlayやAndroidAutoといったスマートフォン連携も可能。

車両価格は266万9700円。軽自動車でもオプションを付ければ300万円級になることも珍しくなくなった昨今、この燃費性能と装備、そして走りの質感を考えれば、その価格には十分な説得力がある。大きな変化を主張する改良ではないが、もともと優れていた基本性能に、日々の使いやすさを着実に積み上げた。これこそが、熟成モデルとしてのヤリスの強さなのだろう。

トヨタ ヤリス Z ハイブリッド 主要諸元

●全長×全幅×全高:3950×1695×1495mm
●ホイールベース:2550mm
●車両重量:1090kg
●エンジン:直3 DOHC+モーター
●総排気量:1490cc
●最高出力:67kW(91ps)/5500rpm
●最大トルク:120Nm(12.2kgm)/3800-4800rpm
●モーター最高出力:59kW(80ps)
●モーター最大トルク:141Nm(14.4kgm)
●燃料・タンク容量:レギュラー・36L
●駆動方式:FF
●トランスミッション:電気式無段変速機
●WLTCモード燃費:35.4km/L
●タイヤサイズ:185/55R16 ※メーカーオプション
●車両価格:266万9700円

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