いま世界中の自動車メーカーが熱い視線を注いでいるのが3月8日から一般公開される第88回ジュネーブ国際モーターショー。国内メーカーの動向が気になるが、ホリデーオート編集部はトヨタの出展情報を事前にキャッチ。注目はレーシング仕様のスープラと、日本ではオーリス改めカローラスポーツとなる新世代スポーツハッチバックだ。

世界一詳しい! 新型スープラ最新情報

ホリデーオートが2017年11月号でどこよりも早くその存在を報告した次期スープラのレーシングバージョン。ラインオフは2019年初頭なので、今回はあくまで「GRレーシング・コンセプト」という位置づけだ。ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦マシンをモチーフとした純レーシングマシンのコンセプトモデルであり、量産モデルのスペックその他は一切明らかにされないというミステリアスな存在。2019年の1月、デトロイトショーでのワールドプレミア&欧米での発売(国内発売は2019年夏)に向けて期待を煽る作戦だ。

画像: 市販プロトではなく、GRレーシングコンセプトとして出品される新世代スープラの予想CG。目撃談によれば、ボディはCGよりもさらに大幅にいかつくモディファイされているようだ。

市販プロトではなく、GRレーシングコンセプトとして出品される新世代スープラの予想CG。目撃談によれば、ボディはCGよりもさらに大幅にいかつくモディファイされているようだ。

とは言え、ホリデーオート編集部ではすでに市販モデルの概略を把握済み。今回は最新情報も交えて国内向け量産モデルの情報をおさらいしておこう。

画像: 実は予想外にコンパクト。ホイールベースは86よりも短い。先代スープラとほぼ同じくらいか?

実は予想外にコンパクト。ホイールベースは86よりも短い。先代スープラとほぼ同じくらいか?

GRスープラの開発コードは「J29」。エンジンなどのパワートレーン系、フロアまわり、サスペンションはBMWが主導して開発され、デザインや足回りのチューニングなどはトヨタ主導で開発されている。ボディサイズは、全長4380×全幅1850×全高1280㎜。ホイールベースは2470㎜。思ったほど大きくないことにまずは驚かされる。なかでもあの86/BRZよりもホイールベースが100㎜も短いところに注目したい。車両重量も1350〜1430kgと、86より100kgほど重いだけだ。基本的なディメンションは悪くない。

生産はオーストリアにあるマグナシュタイア社の工場で行われ、仕向地別に3グレードがラインアップされる。2リッター直4ターボの「20i」と「30i」、3リッターターボの「40i」だ。

まずはボトムレンジを固める「20i」から説明しよう。搭載エンジンはBMW製のB48型で、現段階のスペックは195ps/33.0kgm。スポーツカーと言うよりスペシャリティカー的な性格が強く、フロントブレーキもオーソドックスな片持ち式のシングルピストンである。ホイールサイズは17インチが標準で、18インチまたは19インチがオプションで設定される。なお、手元の極秘資料によれば、このグレードは欧州専売となる可能性が高い。

続いて最量販グレードと目される「30i」。搭載エンジンは同じくB48だが、過給圧が高められ、エンジン出力は255ps/36.0kgmまで高められる。ブレーキはフロントがモノブロックの対向ピストンになり、ローター径も拡大。それに伴いタイヤサイズも18インチに拡大され、19インチがオプション設定される。

最後にB58型6気筒ターボエンジンを搭載する「40i」。GRスープラのフラッグシップモデルで、最高出力は335ps/最大トルクは51.0kgmまで高められる。もっとも、さらなる出力アップも計画されており、最終的には380psほどまで向上する可能性もある。大径ローターと前後モノブロック対向ピストンブレーキが奢られ、ホイールも19インチとなる。また専用のリミテッドスリップデフが標準装備となる(他グレードはオプション)。

ちなみにミッションは全車ZF製の8速AT(8HP型)で、もちろんパドルによるマニュアルシフトが可能だ。

画像: 国内はイメージリーダーとしてGRガレージでの専売になる。BMW独自の車両診断システムの導入やインチサイズの工具の取り扱いなど、実務面を考えても適切な選択か?

国内はイメージリーダーとしてGRガレージでの専売になる。BMW独自の車両診断システムの導入やインチサイズの工具の取り扱いなど、実務面を考えても適切な選択か?

はZ4なお、国内販売時には独自のグレード呼称が与えられ、「20i」はそのままスープラ(国内ラインアップがあるとすれば、だが)、「30i」はスープラGR SPORT、「40i」はスープラGRとなる。一方、究極のスポーツモデルであるGRMNはデビュー時には存在しない。歴代のGRMNと同じく、モデルライフの半ばに台数限定で発売される可能性が高いが、共同開発社であるBMWは新型Z4に380psを発生する「M」を搭載する企画も進行しており、コチラをベースにGRMNが企画される可能性は高い。いずれにせよ、ミッションとの適合などを考慮すればパワートレーンはBMW製を用いるほかなく、BMWの出方を待つしかないだろう。

新型オーリス発表。日本では「カローラスポーツ」に

そしてもう一台、今回のショーでは注目すべきクルマが世界初公開される。それが新型オーリス。国内では新たに「カローラスポーツ」として今年6月以降に発売される予定だ。

欧州では現行型と同じくオーリスとして発売されるが、注目すべきは国内での車名変更。ご存じの通り、グローバルカーたる現行カローラは仕向地別に複数のプラットフォームを使い分けている。日本仕様のカローラはヴィッツ系を使っており、同じくオーリスはいわゆるCプラットフォームだ。ちなみに欧州や北米ではオーリスもカローラも同じCプラットフォームであり、どれも全幅は1700㎜をオーバーする3ナンバーサイズ。これが次世代では世界統一のTNGA-Cを採用することになり、国内仕様も全車3ナンバー化される(法人向けに現行5ナンバーモデルを継続販売する可能性もアリ)。そしてこれを機に、国内ではハッチバックのオーリスもカローラファミリーに吸収し、その車名は廃止されるというわけだ。

Webではハッチバック、セダンともに偽装したテストカーの写真が大量に出回っているので、興味のある方は検索してみるといいかも。

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