1961~70年は、日本の近代スポーツカーが飛躍的に進化した10年だった。この時代に矢継ぎ早に投入された新型スポーツカーは、まさに日本の自動車技術の進化の歴史と言っていい。そんな飛躍の10年を彩った珠玉のマシンを振り返ってみる。今回は、ラリーでも活躍したブルーバードSSSだ。

サファリラリーも制したタフネスマシン、ブルーバードSSS

「ダットサン・ブルーバード 1600SSS(510型 1967年8月発売)」

画像: 68年に追加された2ドアクーペ。流れるウインカーも採用されていた。

68年に追加された2ドアクーペ。流れるウインカーも採用されていた。

1967年8月、ダットサン(当時は車種によってニッサンとダットサンを使い分けていた)・ブルーバードの3代目である510型が発売された。日産で初めて前ストラット/後セミトレの4輪独立懸架を採用。エンジンも新開発のL型SOHCと、すべてを一新した意欲作だった。

画像: コクピットは簡素としか言えないが、現代のクルマにはない余分なものを排除した潔さを感じる。

コクピットは簡素としか言えないが、現代のクルマにはない余分なものを排除した潔さを感じる。

「スーパーソニックライン」と称する直線基調のスタイリング、三角窓のないフロントドアガラスなど、当時としては斬新なもので、日本だけでなく北米市場でも人気を集めた。

トップグレードは、ここで紹介する1.6LのL16型直列4気筒SOHCを搭載したSSS(スーパー・スポーツセダンの略称)だ。

画像: 超音速旅客機をイメージした「スーパーソニックライン」を謳ったスタイリング

超音速旅客機をイメージした「スーパーソニックライン」を謳ったスタイリング

SSSは国内外のラリーに積極的に参戦し、1970年のサファリラリーでは総合/チーム優勝の2冠を達成して「ラリーの日産」の名を世界に轟かせた。

68年には2ドアクーペを追加。スポーツカーとは呼び難いクルマだが、スーパー・スポーツセダンの名に恥じないパフォーマンスを発揮した。

画像: 510ブルーバードは国内外のラリーで活躍した。写真は1970サファリラリーの総合優勝車。

510ブルーバードは国内外のラリーで活躍した。写真は1970サファリラリーの総合優勝車。

ブルーバード1600SSS(1967年) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4120×1560×1400mm
●ホイールベース:2420mm
●車両重量:915kg
●エンジン・型式:直4SOHC・L16
●排気量:1595cc
●最高出力/最大トルク:100ps/13.5kgm
●サスペンション前/後:ストラット/セミトレーリングアーム
●発売時価格:75万5000円

画像: 1960年代の国産スポーツカーについては、ホリデーオート2019年2月号でも紹介しています。

1960年代の国産スポーツカーについては、ホリデーオート2019年2月号でも紹介しています。

This article is a sponsored article by
''.