いよいよ「令和」の時代が始まったが、「平成」の時代に誕生した記憶にとどめておきたいスポーツカーたちを、図鑑風に紹介しておこう。今回は、トヨタ久々のスポーツセダン、アルテッツァだ。

6速MTとトルセンLSDで良い走りを見せ、和製BMWとして期待されたFRセダン

「トヨタ・アルテッツァ(SXE10型:1998年10月発売)」

画像: 全長は4.4mと比較的コンパクトだが、全幅は1.7mをわずかに超えるので3ナンバーとなる。

全長は4.4mと比較的コンパクトだが、全幅は1.7mをわずかに超えるので3ナンバーとなる。

トヨタが、「ドライビングそのものを楽しむこと」を念頭に開発したFRスポーツセダンがアルテッツァだ。デビュー当時、市場にかなり歓迎された感が強かった。

エクステリアは派手さはないものの、4輪のふんばり感がよく出たスポーティなものとなっている。
インテリアではメーターパネルのスピードメーター内部に電圧系、水温系、油温系を配置しクロノグラフ調にするなどの遊び心も盛り込まれた。

画像: 室内はシックな中にもスポーティ感がある。正面のスピードメーターはクロノグラフ的なデザインが特徴的だ。

室内はシックな中にもスポーティ感がある。正面のスピードメーターはクロノグラフ的なデザインが特徴的だ。

サスペンションは4輪ダブルウイッシュボーンで、ニュルブルクリンクなど世界各国のサーキットで走り込みを行って煮詰めたことも話題となった。

6速MT車にはトルセンLSDを標準装備とし、スポーティな走りでも確実に路面にトラクションを伝える役割を与えられた。

時代の要請に応えるべく安全性にも抜かりはなく、ABS、TRC(6速MT車)を標準装備するなど現代的な装備となっていた。

画像: 84年デビューの3S-GE型エンジンは信頼性の高いユニットで、可変バルブタイミングシステムのVVT-iを装着して搭載した。

84年デビューの3S-GE型エンジンは信頼性の高いユニットで、可変バルブタイミングシステムのVVT-iを装着して搭載した。

エンジンは、2L 直4DOHC(3S-GE)と2L 直6DOHC(1GFE)が選択できたが、6速MTがチョイスできるのは直4のRS系となる。

素直なステアリングフィールにこだわるがゆえのFRレイアウトで、フロントミッドシップレイアウトを採用し、バッテリーや燃料タンクなどの重量物を車両の旋回軸に近づけている。

画像: 路面をがっしり捕らえている風のデザイン。普段乗りが主でも、たまには本気に走りたい層(?)に支持された。

路面をがっしり捕らえている風のデザイン。普段乗りが主でも、たまには本気に走りたい層(?)に支持された。

アルテッツァ RS200(1998年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4400×1720×1410mm
●ホイールベース:2670mm
●重量:1340kg
●エンジン型式・種類:3S-GE型・直4 DOHC
●排気量:1998cc
●最高出力:210ps/7600rpm
●最大トルク:22.0kgm/6400rpm
●トランスミッション:6速MT
●タイヤサイズ:215/45ZR17
●価格:240万円

画像: 平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

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