昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。今回は昭和60年発売のマツダ ファミリア 4WDターボだ。

国内初のフルタイム4WDツインカムターボは国内外のラリーで大活躍

マツダ ファミリア 4WD DOHCターボ GTーX:昭和60年(1985年)10月発売

画像: 先代のイメージを踏襲しながら、少し丸みを帯びた。テスト値で、最高速度は200.84km/h、0→400m加速は15.55秒とかなりの好データを記録している。

先代のイメージを踏襲しながら、少し丸みを帯びた。テスト値で、最高速度は200.84km/h、0→400m加速は15.55秒とかなりの好データを記録している。

2BOXやボーイズレーサーといった愛称で、一世を風靡したのが、昭和55年(1980年)にデビューした5代目(BD型)ファミリアだった。この人気を受け継ぐかたちで、昭和60年(1985年)1月にフルモデルチェンジを迎え、さらに同年10月に戦列に加わったのが、ここで紹介する日本初のフルタイム4WD DOHCターボを搭載した6代目ファミリアだった。

当時はすでにボーイズレーサー人気もひと息ついたころで、国産車はプラスアルファの付加価値が求められる傾向があった。人気車のフルモデルチェンジが難しいと言われている中、ファミリアのフルタイム4WDは格好のセールスポイントとなった。

画像: リアはルーフエンドとリアウインドー下とスポイラーをダブルで装着する。

リアはルーフエンドとリアウインドー下とスポイラーをダブルで装着する。

ボディは、従来どおりの3ドア ハッチバックと4ドア セダンの2種類がラインアップされたが、フルタイム4WDは3ドアハッチバックのみに設定された。しかし、パワーソースは、従来のE5型エンジン(70psタイプ)と、新開発されたB6型 DOHC16バルブエンジンを用意。加えて140ps仕様のB6ターボは、FWDの3ドアHBとセダンにも搭載され、ファミリアのスポーティさをアピールした。

サスペンションは、全グレードで共通の前後ストラット独立懸架を採用している。さらに、4WDモデルのGT-Xには悪路走破性に有利なハイトコントロールサスペンションを装備し、車高を約30mmの範囲で調整できた。このほかにもレカロシートを標準装備したアンフィニモデルなども設定され、スポーティ コンパクトカーの代表車種となった。

画像: B6型 1.6L DOHCターボエンジンは、1気筒あたり4バルブのDOHCにターボを組み合わせ、140psの高出力を発揮した。

B6型 1.6L DOHCターボエンジンは、1気筒あたり4バルブのDOHCにターボを組み合わせ、140psの高出力を発揮した。

このファミリア4WDターボをベースにしたラリーマシン、「マツダ 323 4WD」は1985年からWRC(世界ラリー選手権)に参戦し、1987年と89年のスウェディッシュ ラリーと、1989年のニュージーランド ラリーで総合優勝を果たしている。日本国内のラリーでも多くの勝利を得ている。

硬派な4WDターボと同時に、軟派?なカブリオレバージョンも追加登場した。とはいえ、エンジンは1.5LのSOHCターボを搭載し、スポーティなオープンモデルとして位置づけられていた。

画像: 1985年10月、4WDターボと同時に追加発表された、ファミリア カブリオレ。1.5LのSOHCターボを搭載。

1985年10月、4WDターボと同時に追加発表された、ファミリア カブリオレ。1.5LのSOHCターボを搭載。

マツダ ファミリア 3ドア 4WDターボ GTーX 主要諸元

●全長×全幅×全高:3990×1645×1355mm
●ホイールベース:2400mm
●重量:1090kg
●エンジン型式・種類:B6型・直4 DOHCターボ
●排気量:1587cc
●最高出力:140ps/6000rpm
●最大トルク:19.0kgm/5000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/60R14 82H
●価格:189万円

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