クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第122回は「シボレー コルベット(8代目)」だ。

シボレー コルベット(8代目:2019年-)

画像: 2020年の東京オートサロンでジャパンプレミアされた新型コルベットは北米仕様だったが、注目度はハンパではなかった。

2020年の東京オートサロンでジャパンプレミアされた新型コルベットは北米仕様だったが、注目度はハンパではなかった。

アメリカのスポーツカーを代表するシボレー コルベットは、2019年7月に8代目にフルモデルチェンジ。これを機にエンジンをリアミッドに搭載し、ついにスーパースポーツカーへの仲間入りを果たした。

1954年に初代がデビューした、アメリカン スポーツカーのコルベット。コルベット(Corvette)とはフランス語で小型の戦艦を意味するが、その車名の由来には諸説あり、明確には分かっていない。ただ、歴代のモデルはコルベットの頭文字であるCと何代目かを表す数字とで、たとえば6代目コルベットなら「C6」という呼称がマニアを中心に使われている。

7代目まではFRにこだわり続けていたコルベットがミッドシップを採用した理由として、「コルベットは革新と極限の頂点を体現してきており、FRの伝統的なモデルはパフォーマンスの頂点に達し、新しいレイアウトを必要としたから」と、GMのM. ロイス社長は語っている。ミッドシップ化されたことでキャブフォワードなスタイルとなり、ドライバーと前輪が近づいたことでハンドリングレスポンスはシャープになり、車両の重心がドライバーの腰部に近づくことで、ドライバーを中心としたコーナリングが可能になる。

キャブフォワードなボディデザインは、最新のステルス戦闘機やフォーミュラカーにインスパイアされたものだが、水平基調のプレスラインや抑揚のあるフロントフェンダーなどは、歴代コルベットのクラシカルなデザインエレメントを継承している。

画像: ミッドシップ搭載されるV8エンジンはOHVながら495hpと637Nmを発生。エンジンの後ろにはトランクスペースも備える。

ミッドシップ搭載されるV8エンジンはOHVながら495hpと637Nmを発生。エンジンの後ろにはトランクスペースも備える。

ミッドシップ搭載されるパワーユニットは、コルベットの伝統でOHVのままだった。とはいえ、自然吸気の6.2L(正確には6159cc)のV型8気筒エンジンはドライサンプ方式も採用し、最高出力495hpと最大トルク637Nm(パフォーマンスエクゾーストシステム装着車)を発生する。ミッションもGM初の8速DCTを組み合わせ、日本仕様には標準装備される予定のZ51パッケージ装着車では、0→60mph(約96km/h)加速は3秒以下とアナウンスされている。

インテリアも、メーターパネルは全面液晶のモニターとなり、センターコンソール上にはオーディオやカーナビ用のサブモニターが備わり、ホールド性を高めたスポーツバケットシートも設定される。またコルベットの伝統であるリムーバブルトップも採用されており、ルーフを外してタルガトップでのドライブも楽しめる。

2019年10月には、コンバーチブルも追加発表された。コルベット史上初の電動開閉式ハードトップを採用。車速が48km/h以下なら、走行中でも約16秒で開閉が可能だ。ちなみに、新型コルベットはコンバーチブルが先に設計されたと言われている。トノカバー上のジェットエンジンを収めるハウジングのような空力に優れたナセルが特徴的だ。

気になる日本仕様だが、これもコルベット史上初の右ハンドルとなり、クーペは2020年中には導入される予定だ。コンバーチブルに関しては今のところ導入時期は未定だが、クーペからそう遠くない時期には導入されることは間違いないだろう。

画像: ファストバック風のクーペスタイルに水平基調のプレスラインなど、ミッドシップになってもコルベットらしさは継承されている。

ファストバック風のクーペスタイルに水平基調のプレスラインなど、ミッドシップになってもコルベットらしさは継承されている。

シボレー コルベット(パフォーマンスエクゾーストシステム装着車)主要諸元

●全長×全幅×全高:4630×1934×1234mm
●ホイールベース:2722mm
●重量:1530kg
●エンジン種類:V8 OHV
●排気量:6159cc
●最高出力:495hp/6450rpm
●最大トルク:637Nm/5150rpm
●トランスミッション:8速DCT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前245/35ZR19、後305/30ZR20
●当時の価格:1180万円〜

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