クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第126回は「ロータス エヴァイヤ」だ。

ロータス エヴァイヤ(2019年-)

画像: ヘッドランプにはレーザーを採用。最低地上高はわずか105mm。ホイールはマグネシウム製で、ブレーキディスクにはカーボンセラミックを採用。

ヘッドランプにはレーザーを採用。最低地上高はわずか105mm。ホイールはマグネシウム製で、ブレーキディスクにはカーボンセラミックを採用。

日本では第1次スーパーカーブームのきっかけを作ったヨーロッパ、1980年代を中心にロングセラーのスーパーカーとなったエスプリといったモデルを輩出したロータス カーズだが、1995年に発表されたエリーゼ以降は、ライトウエイトスポーツが中心のラインアップとなっていた。

2017年にロータス カーズは中国のジーリー傘下となる。経営資本が変わって初めて、2019年5月に発表したブランニューモデルは、ハイパーEVの「エヴァイヤ(Evija)」だった。ロータスのネーミングの流儀で「E」から始まるその車名には、「最初の存在」とか「命あるもの」という意味が込められている。

エヴァイヤのスタイリングは、リアクオーター両側にダイナミックなベンチュリートンネルが突き抜けた大胆なもの。ポロシティ(多孔性)というコンセプトで、驚異的なダウンフォースを生み出している。シャシもボディもフルカーボンファイバー製で、フロントは低く地面にかがめた姿勢で、リアはどっしりと逞しいスタイル、その中間にティアドロップ型のキャビンが収められている。フロントの複葉スプリッターや、リアのベンチュリートンネルを囲むLEDのテールランプもユニークだ。

画像: F1マシン風のステアリングや、デジタルディスプレイのメーター、スイッチ類が並ぶスロープ状のセンターコンソールなどインテリアも独特。

F1マシン風のステアリングや、デジタルディスプレイのメーター、スイッチ類が並ぶスロープ状のセンターコンソールなどインテリアも独特。

パワートレーンには内燃機関を採用せず、フル電動となった。F1グランプリやフォーミュラEで活躍するウイリアムズ アドバンスド エンジニアリングが開発したシステムは、バッテリーパックをコクピットの後ろにミッドマウントし、4基の電動モーターで各輪を駆動する。目標車両重量は1680kgと、生産車では最も軽いフルEVハイパーカーとなる。目標値だが最高出力は2000ps、最大トルクは1700Nm。走行モードは5段階に切り替えられ、最高速度は320km/h以上、0→100km/h加速は3秒以下と公称されている。

インテリアでは、外からフロントウインドー越しに見えるフローティング ウイング型のダッシュボードが特徴的だ。メーターは全面液晶モニターのデジタルディスプレイだ。アルカンターラ張りのシートはカーボンファイバー製。F1マシンのようなステアリングには、クルーズコントロールやドラッグリダクションシステムなどのスイッチがセットされる。デュアルゾーン エアコンやハイクオリティなインフォテインメントシステムといった快適装備も標準で備わっている。

エヴァイヤは、歴代のロータス車に付けられているタイプナンバーが「130」にあたるため、それにちなんで130台の限定生産となり、2020年中には生産が開始される。本国での価格(税別)は、180万〜200万ポンド(約2億3300万〜2億5900万円)と、それまでのロータス車とは次元の違うプライスが付けられ、手付金25万ポンド(約3200万円)で生産枠が確保される。

画像: 低く構えたフロントに対し、リアはどっしりと逞しい。ドアミラーはドラッグ低減のため省略され、フロントフェンダーに格納式のカメラを内蔵。

低く構えたフロントに対し、リアはどっしりと逞しい。ドアミラーはドラッグ低減のため省略され、フロントフェンダーに格納式のカメラを内蔵。

ロータス エヴァイヤ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4459×2000×1122mm
●ホイールベース:未発表
●重量:1680kg
●パワーユニット種類:モーター×4
●総電力量:70kWh(キャパシティ)/2000kW(パワー)
●モーター最高出力:2000ps(目標値)
●モーター最大トルク:1700Nm(トルクベクタリング作動時)
●目標最大航続距離:400km
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:前265/35ZR20、後325/30ZR21

This article is a sponsored article by
''.