7速DSGとTSIエンジン、見えてきた今後の戦略

最後にTSIとDSGの今後の展望についても触れておこう。まず、この7速DSGは先に書いた通り、最大トルク250Nmまでのエンジンに対応している。ここで気付いた人もいることだろう。ゴルフGT TSIの170ps仕様でも最大トルクは240Nm(24.5kgm)で、十分許容範囲内なのだ。将来的にはこの組み合わせも、燃費向上を考えれば可能性は大いにあるに違いない。

TSIエンジンに関しては、ラインアップをさらに下方へと拡大していくことになる。以前、その開発を指揮するDr.H.ミッデンドルフは、次の置き換えターゲットは最高出力102psの1.6Lだと話していた。近い将来、ポロなどのモデルのためにさらに小排気量のTSIが用意されることになるはずだ。

シングルチャージャーTSIと7速DSGという、これまで以上に多くのユーザーに訴求することになるであろうラインアップの登場によって、完全に波に乗った感のあるTSIエンジンによるフォルクスワーゲンのダウンサイジング戦略。今後の動向にもますます注目である。(文:島下泰久/Motor Magazine 2008年4月号より)

画像: Dレンジから右にレバーを倒すと、シフトインジケーターに1∼7速までの数字が現れる。

Dレンジから右にレバーを倒すと、シフトインジケーターに1∼7速までの数字が現れる。

ヒットの法則

フォルクスワーゲン ゴルフTSI 122ps仕様 主要諸元

●全長×全幅×全高:4204×1759×1513mm
●ホイールベース:2578mm
●車両重量:1226kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1390cc
●最高出力:122ps/5000rpm
●最大トルク:200Nm/1500-4000rpm
●駆動方式:FF
●トランスミッション:7速DCT(DSG)
●最高速:195km/h
●0→100km/h加速:9.4秒
※欧州仕様

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