発進時のマナーが良い新しい7速DSGの効果

新しいTSIとDSGという、乗る前から期待せずにはいられないこの組み合わせ。スペインはバルセロナ近郊にて対面した試乗車には、ボディサイドに「7SPEED DSG」と大きな字で書かれていて、ちょっと気恥ずかしくも思われたのだが、実際にそのステアリングを握って走り出したら、そんなことはすぐにどうでもよくなってしまった。要するに、その走りはそれぐらい印象的なものだったのである。

まず感心させられたのが、懸案とも言うべき発進時のマナーの良さだ。DSGにとってほぼ唯一の気がかりと言えるこの部分、先にデビューしたゴルフTSIコンフォートラインでは制御がさらに上手になって、登場当初のようなギクシャク感を完全に払拭していたが、この122psTSIと7速DSGの組み合わせは、洗練度でわずかながらさらにその上を行くという感じだ。1500rpmの段階で発生するトルクが、1.6L FSIの実に66%増しにもなるという低速域の充実ぶりに加えて、1速ギア比が6速DSGのそれより15%近く低められていることから、きわめて滑らかに、そして軽快にクルマが動き出すのである。

変速は相変わらずスムーズで、Dレンジで走行中、60km/h超で早くも7速に入るほど頻繁にギアチェンジが行われているにもかかわらず、煩雑な印象はまるでない。しかもトルクに余裕があるため、そこから緩やかに加速したいという時には、アクセルをじわりと踏み込めばキックダウンさせずにスーッと速度を上げることができる。

もちろん、必要とあらば右足にさらに力を入れてギアを2段ないし3段飛ばす迅速なキックダウンを誘発して、即座に力強い加速を得ることもできる。そうやって全開にし続けると、シフトアップの時にのみ軽いショックが伝わることもあるが、それも刺激の演出と思えば気に障るほどのものではないと言い切っていいだろう。

小径ターボチャージャーを使うだけに、トップエンドの伸びはツインチャージャー、特に170ps仕様にはかなわない。5000rpmくらいで頭打ちとなり、その後も回りはするもののパワー感は明確に衰える。そうは言っても、ヨーロッパ仕様の最高速度は195km/hと決して遅くはない。ましてや日本で乗ると考えれば、まったく不満も問題もないはず。たとえば0→100km/h加速は1.6L FSI+6速ATの11.5秒に対して9.4秒と、瞬発力は確実に高まっているのだ。

そして気になる燃費はと言えば、EU混合モードで5.9L/100km、つまり約16.9km/Lという驚異的な数値を叩き出している。これまた1.6L FSI+6速ATの7.6L/100km(13.2km/L)に対するアドバンテージは明らかである。小排気量化によるフリクションロスの低減、燃焼効率の向上などエンジンの効率向上に加えて、7速DSGが多段化のメリットで6速DSGより10%近く高い7速ギア比を採用でき、100km/h走行時のエンジン回転数をわずか2050rpmに抑えていることなどが効果を及ぼしているのだろう。

まだ7速DSGの準備が整う前の昨年夏に、6速MTとの組み合わせで乗った時から、この122psの新TSIユニットのポテンシャルの高さには深く感心させられていた。率直に言って、これがあれば140ps仕様のツインチャージャーは必要ないのでないか。そんな風にすら思わされたほどだ。

今回の試乗でも、タイトなワインディングロードを走っている時など、充実した低速トルクがもたらす高いドライバビリティと十分なパフォーマンス、そしてエンジン、ギアボックスを合わせれば40kg近い軽量化によってもたらされたフロント荷重の軽さが効いた心地良いフットワークに、個人的にはこれで十分というのではなく、これこそ本命という思いを新たにした次第だ。

画像: 新開発の7速DSGは、オイルバスに浸されたウエットクラッチを持たない乾式のクラッチタイプ。シフトノブの形状など、見た目には従来の6速DSGと変わりはない。

新開発の7速DSGは、オイルバスに浸されたウエットクラッチを持たない乾式のクラッチタイプ。シフトノブの形状など、見た目には従来の6速DSGと変わりはない。

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