2007年10月に日本導入が発表された2代目キャデラックCTSが、2008年に日本上陸を果たした。北米市場で日欧のプレミアムセダンを迎え撃つだけでなく、積極的に世界市場に討って出て成功を収めた初代から6年、2代目はどう進化したのか。上陸まもなく行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年4月号より)

内外装の高い質感と洗練された走り味

先代CTSには右ハンドルも用意されていたが、新型は当面左ハンドル仕様のみの設定。コシのある本革シートに座り、キーを挿し回す。直噴のV6が目を覚まし一瞬の咆哮があるが、アイドリング時の静粛性は非常に高く、またステアリングに添えている手には振動はほとんど伝わってこない。

大ぶりのシフトレバーをDレンジに合わせスタートする。アクセルペダルの踏み応えが軽いため、滑らかな発進には慣れが必要かもしれない。走り出すと低めの排気音が室内に届いてくるが、音の大きさがエンジン回転数に対しリニアなため、適切な速度感を持ちながらドライビングできる。基本はジェントルな印象なのだが、アクセルペダルを強めに踏み込むと、一瞬の間のあとに強烈な加速感がやってくる。こうした二面性を併せ持つのも新型CTSの魅力のひとつだろう。

ちなみにこの3.6L、そして2.8Lエンジンともに無鉛レギュラーガソリン仕様。燃料価格の高止まりが続く現在、こうした性能はちょっと嬉しいものだ。

先代CTSは5速ATだったが、新型には6速ATが搭載される。変速時のショックは皆無で、非常に滑らかな印象。シフトレバーを右に倒せばマニュアル操作も可能だが、結構なシフトストロークがありレバー自体も大きいので、日本人の平均的な体格のぼくが扱い慣れるには多少時間がかかった。

3.6にはパフォーマンス志向のスポーツサスペンションが組み合わされ、18インチホイール+ミシュラン・パイロットスポーツPS2タイヤが装着される。さらに「ニュルブルクリンクで鍛え上げられた足まわり」とカタログでも謳われているため、運転する前はドイツ車ライクな乗り心地を想像していたのだが、それは良い意味で裏切られた。

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