90シリーズ、60シリーズに続きボルボXC40にもプラグインハイブリッドが導入された。モデル名も従来のPHEVが名乗っていたツインエンジンからリチャージへと変更しエンジンも国内ではボルボ初となる1.5L 3気筒エンジンを搭載する。今回は試乗した印象を報告する。(Motor Magazine 2020年10月号より)

フロントにモーターを搭載。ドライブモードは5種類

2017年に発表したボルボの全車電動化宣言が着々と進行している。これは具体的には、2019年以降は内燃機関のみを搭載したクルマを作らないですべて電動化するという宣言だが、それは全車BEV、PHEV、MHEVになるということ。その実車がすでに試乗している48Vマイルドハイブリッドシステム搭載車B5であり、今回試乗したリチャージである。

新たに加わったXCのPHEVは、T5ツインエンジン インスクリプションである。ちなみに試乗車は20年モデルで、21年モデルからリチャージ プラグインハイブリッドT5インスクリプションと呼ばれる。今回は、いち早く試乗できるよう20年モデルが用意されたが、販売されるのは21年モデルとなり「リチャージ」である。

搭載するのは、国内では初めて採用された1.5L直3ターボエンジン。これに7速DCTにマウントされた電気モーターが組み合わされ、システム合計で262psもの最高出力を発生する。重量配分も内燃機関モデル同様60対40。これはボルボの電動化モデルの特長であるリチウムイオンバッテリーを、SPA同様にセンターにあるトンネルコンソールに搭載することで実現しているのである。

画像: 新たに加わったXC40のPHEVモデル「リチャージ プラグインハイブリッドT5インスクリプション」。この名称は21年モデルから使用される。

新たに加わったXC40のPHEVモデル「リチャージ プラグインハイブリッドT5インスクリプション」。この名称は21年モデルから使用される。

ドライブモードはピュア、ハイブリッド、パワー、オフロード、インディビジュアルの5つ。ピュアでは135km/hまでモーター走行を優先する。クルマを始動した時点ではデフォルトモードのハイブリッドで、そこから好みのドライブモードを選択する。

パワーモードは、エンジンとモーターの両方を常に稼働、シフトプログラム、ステアリング、ブレーキがダイナミックモードとなり、スロットルレスポンスが向上する。そしてオフロードモード。これは20km/h以下で作動、急な坂道などはヒルディセントコントロールが自動的に作動する。

エンジンとトランスミッションは、トラクション重視になりESCはトラクション/スポーツモード、アイドリングストップ機能はオフになる。そしてインディビジュアルはドライバーが任意で個別のセットアップができる、というものだ。

これまでのPHEVとの違いは、XC90やXC60のツインエンジンは前後に電気モーターを搭載する4WDだが、XC40はフロントのみにモーターを搭載し、フロントを駆動する2WDなのである。

画像: XC40のPHEVは、XC60やXC90のPHEVと違いトランスミッションに組み込まれた1モーターであること。FFとなる。

XC40のPHEVは、XC60やXC90のPHEVと違いトランスミッションに組み込まれた1モーターであること。FFとなる。

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