1974年にデビュー以来、コンパクトFF車のベンチマークであり続けるフォルクスワーゲン ゴルフ。日本でも間もなく8代目となる新型が発表されるが、その前に初代から現行型までのゴルフを振り返ってみたい。今回は2代目ゴルフの登場について語ろう。

ヨーロッパの北に位置するドイツのものづくりは、質実剛健で知られる。現代消費社会の発祥地アメリカで生まれたような、購買意欲をかきたてるためだけのモデルチェンジみたいなことは、しないのがドイツらしい。実際ドイツ車では、メルセデスやBMW、ポルシェなど、半世紀や1世紀以上も、正常進化型でクルマづくりを続けるブランドが目立つ。

フォルクスワーゲンは「モデルチェンジのためのモデルチェンジはしません」というようなことを、実はさんざん外に向かってもアピールしてきていた。世界一の広告とさえ評されることもある1960年代のビートルのアメリカ向け広告で「フォルクスワーゲンこそがドイツの良品です、外側はずっと変わらなくても中身は常に進化しています」などと訴え続けていた。そのことが2代目ゴルフとは直接関係ないとしても、ビートルで30年以上かたちを変えずにベストセラーとして売り続けてきたフォルクスワーゲンなので、その次のゴルフも、「たった9年」で簡単にかたちを変えたのでは、具合が悪かっただろう。

もちろん、当時「キープコンセプト」に対して批判もあったが、この2代目が成功し、その後も正常進化を続けることで、ゴルフの伝統が確立されることになる。

スタイリングは、そういったことから、かなり意図的に初代のデザインを継承しており、特徴的な丸型ライトのフロントマスクなどのディティールなどが、あえて採用されている。太いCピラーもゴルフの特徴である。忠実に初代のデザインを反復し、ひと目でゴルフとわかるスタイリングになっている。

画像: リアサイドドアのシャットラインが「くの字」を描くのは、ゴルフの伝統。ただCピラーにかすかに水平線が入ったのがゴルフ1と異なる部分。

リアサイドドアのシャットラインが「くの字」を描くのは、ゴルフの伝統。ただCピラーにかすかに水平線が入ったのがゴルフ1と異なる部分。

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