ルノーの主力車種とも言えるルーテシア(欧州名 クリオ)が日本市場に導入された。ルノー 日産 三菱アライアンスの新世代プラットフォーム「CMF-B」や先進運転支援システムを採用する一方で、先代で評価された部分は残したという新型の魅力に迫る。(Motor Magazine2021年1月号より)

キープコンセプトのエクステリア。個性豊かなインテリア

ルノールーテシアは1990年の登場以来、ルノーの中でもとくに大きなセールスを上げている基幹車種である。初代から4代目(先代)までの販売台数は1500万台以上を記録している。

5代目となる新型ルーテシアでとくにこだわった点が「セグメントの枠にとらわれなかった」ことだ。新型ルーテシアは既存のセグメントに当てはめるとBセグメント車だが、ルノーはセグメントではなく、ユーザーのニーズに合わせた商品開発が進められた。その結果ボディサイズは、先代よりも全幅が25mm拡大される一方で、全長と全幅はわずかに縮小された。

ユーザーのニーズを汲んだ点はボディサイズだけではない。ルーテシアの購入者は、1台ですべてをこなせるクルマを求める人が多い。また、大きなクルマから乗り換えるダウンサイザーも増えている。こういった事情に対応するため、高い動力性能と充実した装備が与えられた。

話をエクステリアに移そう。ボディのフォルムはキープコンセプト。これは先代のデザインが市場において高く評価されていたからだという。フロントマスクに目を向けると、印象的なCシェイプのデイタイムランプを持つヘッドライトユニットが目を引く。また、サイドウインドウ周縁部やドアの下部に配置されたメッキパーツや、大胆かつ彫刻的なプレスラインなどが、上級車の雰囲気を醸し出している。

車内に乗り込むと、そのしつらえの良さに驚く。(インテンス以上の)ドアトリムやダッシュボードの大部分はソフトパッドに覆われ、指が触れるスイッチ類にはメッキパーツが使われている。さらに宙に浮いたように見えるシフトパネル、上から見ると滑らかな曲線を描くダッシュボードなど、インテリアの造形にこだわりを感じる。

画像: 7速DCTのダイレクト感とパドルシフトの素早い反応が心地良い。

7速DCTのダイレクト感とパドルシフトの素早い反応が心地良い。

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