インパクトあるグリルと流麗なファストバックデザイン
とはいえ、時の流れとともにボディフロント部のデザインが扁平化すると当然、キドニーグリルも横長デザインへと姿を変えることになっていった。それが、グリルが縦長となる必然性がない今の時代に突如「復活」したことで、大きなインパクト(と、一部の人に対しての強烈な違和感)を抱かせることになったのが、2代目4シリーズの縦型キドニーグリルでもあるということだ。
そうしたフロントマスクに対する印象はまた別として、新型4シリーズクーペを目の当たりにしてのもうひとつの第一印象は「思ったよりも、はるかに大きなクルマだな」というものだった。実際、4775mmという全長は、5LのV8エンジンまで搭載する日本屈指のビッグクーペであるレクサスLCをも凌ぐ大きさ。一方、1850mmという全幅はLCよりも狭いのだから、相対的にそのプロポーションがグンとスリークに見えるのも当然なのだ。
この2代目4シリーズクーペのバリエーションで、先陣を切って日本に上陸したのは「M440i xDrive」。BMWファンであればそのパワーユニットは、すでに日本で登場しているツインスクロール式ターボを備えた3L直列6気筒エンジンと8速ATを4WDシャシと組み合わせる3シリーズセダン/ツーリングのM340i xDriveと同様のものであることが読み解けるはず。ちなみに日本導入モデルが搭載するこのパワーユニットは、欧州市場向けのものとは一部のスペックが異なっている。
日本向けには、欧州市場向けモデルに組み合わされている48V式スタータージェネレーターを用いたマイルドハイブリッドシステムが採用されず、同時に最高出力値は日本仕様の方が上を行くという違いがある。BMWジャパンによれば、前者は「日本での使用条件を考えるとシステムを採用しても燃費面などで<費用対効果>が得にくく」、後者は「欧州仕様車のみ、ガソリンエンジン用の排気微粒子フィルターを装着していること」がスペックの異なる要因だという。エンジンそのものがB58型であることに違いはないそうだ。