BMWが誇るDセグメントのベンチマークモデル、3シリーズと4シリーズ。その新型4シリーズ日本初導入モデルと、3シリーズの新ベーシックモデル、どちらも気になる2台でさっそく走り出して、その印象を確かめてみた。(Motor Magazine2021年1月号より)

フル4シーターのパッケージ。いかにもスポーティなテイスト

エクステリアは典型的なファストバックのプロポーションを採用するクーペルックの持ち主だが、インテリアは最新BMW車に共通の文法でまとめられている。従来型に対して全長が135mm、ホイールベースが40mm伸びた影響で、リアシートの足もとには思いのほか大きなゆとりがある。

定員は4人なので、もちろん3シリーズセダン/ツーリングには及ばないものの、後席でも大人がそれなりの余裕を持って長い時間を過ごせる空間が確保されている。独立したリッドを備えるトランクスペースも、奥行き/深さとも外観から察する以上のボリュームがある。結果として、新型4シリーズクーペは抵抗なく「フル4シーター」と呼べるパッケージングを備えていると表現できる。

1740kgと、絶対的には軽いとは言えない重量ながら、前述のようにボディが大型化されたことに加え4WDシャシの持ち主であることを考えれば、同じ3Lの直列6気筒ターボエンジンをFRシャシと組み合わせた先代440i Mスポーツに対して60kg増しというスペックは「よく健闘した」と受け取るべきかもしれない。

実際、最高出力が以上も向上し、最大トルク値も50Nm上乗せされたこともあって、その動力性能は「これ以上、何が必要か」と思える強靭さだ。もちろん「BMW謹製」の直6ユニットの搭載に加え、変速がすこぶる滑らかでありながらタイトなトルクの伝達感を生み出す8速ATを組み合わせることも、好印象の実現に繋がっている。絶対的な加速力に加え、そのフィーリング面でも文句のつけようのない動力性能でもあるのだ。

4WDシャシの持ち主ながら、「明らかに後輪駆動がベース」と感じさせるダイナミックなハンドリング感覚の実現も、いかにもBMWの製品らしい仕上がりだ。路面によっては、ランフラットタイヤならではの硬質さを意識させられる場面も存在するが、良路ではしなやかさもイメージできる乗り味が基本になる。

ダンパー減衰力を電子制御する「アダプティブMサスペンション」やリアデフの差動を電子制御する「Mスポーツディファレンシャル」などは標準採用。やはり電子制御が行われる4WDシステム「xDrive」と相まって、前述した強靭なパワーが無駄なく、そして無理なく路面へと伝えられていることを実感させられる。

ペダルタッチが剛性感に富み、減速Gの立ち上がりもシャープである一方、サーボアシストは控えめで「きっちり踏めば、カッチリ効く」という印象のブレーキのチューニングも、いかにもスポーティなテイストだ。

画像: ドアトリムのデザインは、4シリーズクーペ独自。シフトパドル付のMスポーツステアリングホイール。<BMW M440i xDriveクーペ>

ドアトリムのデザインは、4シリーズクーペ独自。シフトパドル付のMスポーツステアリングホイール。<BMW M440i xDriveクーペ>

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